出版社内容情報
「神戸少年事件」で10歳の愛娘・彩花ちゃんを失った母が、家族と歩んできた心の軌跡を綴る。心の底から希望がわく感動の手記。
内容説明
事件で娘を亡くし、その後、乳ガンを発病。母として多くのものを失いつつも、なおそこにある「幸せ」とは?被害者の兄の心の軌跡を追った、東晋平氏のエッセイ収録。
目次
彩花桜
出会い
しあわせ
仕事
告知
手術、そして「童話」
アメリカで学んだ「心のハグ」
『鉄道員(ぽっぽや)』
同じ痛みを抱えて
祈り
マザーズ・ドリーム
夫
息子
妙なる法則
生きていくということ
人生の先達たちと
著者等紹介
山下京子[ヤマシタキョウコ]
1955年、神戸市生まれ。97年3月、神戸連続児童殺傷事件で長女の彩花ちゃんを亡くす。事件の年とその翌年にあいついで出版した『彩花へ―「生きる力」をありがとう』『彩花へ、ふたたび―あなたがいてくれるから』(ともに河出書房新社)の二冊の手記は大きな反響を呼びベストセラーとなる
東晋平[ヒガシシンペイ]
1963年、神戸市生まれ。駒沢大学文学部卒。事件後、一貫して対話者として山下さん一家と関わり京子さんの著作を企画構成した。少年事件の背景にある社会の課題などをテーマに各地で講演を続ける。日本マスコミ学会会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トフスラン
0
少年Aの書いた絶歌を読んだ後に読みました。やっぱり被害者と加害者との温度差は計り知れないものがあると思います。山下京子さんは苦しみや悲しみや絶望を経験しても、それだけで終わらないところが素晴らしい。言ってみればそういったマイナスの経験から生まれたプラスの経験・出会いに気づき、そこに新たな喜びを見出していける人だと感じました。2015/07/29
とんこつ
0
神戸連続児童殺害事件で娘を亡くされたお母さんの三冊目の手記。なんというか、本当にどこにでもいるような優しくて、ときに感情的で、でも子どものためには身を投げだせる強さをもったお母さんなんだなと思いました。少年Aに向かって、人間の心を取り戻してほしいと願う京子さんの姿が印象的でした。異質とされているものを排他するだけでは、世界は何にも変わらないということを痛切に感じます。そしてまた僕もひとの「足音」に注意を向けられる人間になりたいと思いました。2011/12/13
コギー
0
思うところあって、図書館で借りて読む。2003年刊行。神戸連続児童殺傷事件の被害者遺族(殺害された女児の母親)の3冊目の手記。それまでに出された2冊の手記とは異なり、見知らぬ少年によって最愛の娘を残虐な方法で殺害されるという悲劇を経た彼女自身の悪戦苦闘の記録であり、妻、母親という立場の彼女を通じた視点での一家の蘇生の記録。山下女史は3年前、かねてから罹患していた乳ガンによって61歳で亡くなったそうだが、最期まで、その悲劇によって受けた精神的ダメージを乗り越えることはできなかったと思う。2020/07/22
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