出版社内容情報
純はやっと母、祖父母との幸せな暮らしを始めた。友だちもいるし、父のような人はいろいろ教えてくれる。しかし・・・。
内容説明
本書は、思春期の入り口に立つ純の物語です。トラマルと別れたときのような子どもではなく、でも、まだおとなでもない純。再婚した父親と、途中からいっしょに暮らすようになった母親へのわだかまりが、純のなかにあります。新しい出会いをし、それぞれの人が持つ人生の重みに、純の心は揺れます。「生きるって、どういうことなのだろう。ぼくって、なんだろう」。『12歳、ぼくの夏』は、純の、自分探しの旅なのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
48
繊細な物語でした。両親の離婚に傷付いたまま母親と暮らす12歳の純。嘘をついて女性と暮らしている父親を許せない。だがある日、かつて自分のミスで幼い娘を亡くしてしまった元教師・北山に出会う……。先生と星空を眺めて語り合うシーンが素敵だなあ。大人の理屈に憤り、友人との関係に悩む純。揺れる思春期の想いが繊細に描かれています。挿し絵はいせひでこさん。2021/12/11
あるちゃ
3
江崎雪子さんのこねこムーシリーズに当時小学生だった娘とはまってからだいぶ経ちましたが、他の作品も読んでみたいと思っていてようやく手に取りました。 こねこムーシリーズのような生きる強さにあふれているという感じではありませんでしたが、思春期の心の葛藤をを描いた正統派作品だな、と思いました。 理論的に語りたいんだけど感情が先に来るような、感情的になっているのを認めたくなくて屁理屈をこねまくるとか、思春期を通った人なら誰でも大なり小なり身に覚えがあるのでは? 純ほどドラマチックな幼少期を過ごしていないとしても。 2017/03/05
雪村
1
北山先生に勉強教えてもらいたいな~!!面白かったけどちょっと終わり方が気になる2014/09/21
よしや
1
小学生の時に図書室で読んで、ずっと読み返したいと思っていた本。両親の離婚と再婚で、結婚に嫌悪感を抱く小学校六年生の主人公が、愛娘を失い妻とも別れた「先生」と心を通わせるストーリー。児童文学ではあるがテーマはしっかりしており、思春期の心の乱れが細やかに描かれていて、最近読んだ本の中では一番感心した。ラストが気になるところで終わっていて続きが気になるが、ネバーエンディングストーリーという形で終了するこの終わり方はとても好きだ。2013/06/09