出版社内容情報
こんど3年3組をうけもつことになった木村先生は、たった三ヵ月の産休先生です。教師と子どもの心のふれあいを描いた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
58
あたたかい。昭和のおおらかな雰囲気と女性作家らしい優しい視線。産休の先生の代わりにやってきた「るすばん先生」と子供たちのふれあいの物語。この物語は、作者の宮川ひろさんが実際に若い頃に教師をされていて、20年ぶりに産休補助教員となった経験から生まれたものだとか。子供たちに母親のように接する、るすばん先生。そして、そんな先生に子供たちもまた母親の姿を重ねます。懐かしい雰囲気に浸りました。2020/08/17
ぶんこ
45
産休に入った先生の代わりに臨時の先生となった「るすばん先生」は、子どももいるお母さん先生。著者の実体験だけにイキイキとしたクラスが描かれていました。学校に居る間話もせず、食べもしない女の子、額に大きなほくろ があって、からかわれるからと前髪をスダレのように垂らしている女の子。そしていたずらっ子の光男。先生は一人ひとりに優しい気配りをしてくれ、短所と思えるところを長所としてくれる先生。0点をとった光男君の親に、どんなにいい子かを話し、それを良しとしてご馳走の夕ご飯を作るご両親も素敵でした。2020/08/21
yoshiko
35
読友さんのレビューを見て懐かしくなって図書館で借りました。内容は忘れていたのですが、改めて読んでみてビックリ。舞台が私のほぼ地元でした。産休の担任に代わってやってきたるすばん先生。何十年も前の作品ですが生徒ひとりひとりをきちんと見てくれているるすばん先生は今読んでも素敵だなと思います。2018/10/12
あやっぴ
30
神保町の古書店にあった本で私が生まれるずっと前の作品のようです。産休の担任に代わってやってきたるすばん先生。大らかで優しくて当然生徒たちからも人気がある。生徒を膝に乗せて生徒の話を聞いてあげるシーンにはほっこり心が温かくなった。素敵な作品でした。2018/08/21
penguin-blue
22
本棚の片隅で見つけて再読。産休の担任の代わりに来た先生は今までの先生とはひとあじ違う「るすばん先生」だった…。甘やかすのではなく、決めつけるのではなく、子供たちひとりひとりと向き合う先生の人柄がとても温かく、短い間に子供たちの心をつかむのもよくわかる。教室や主人公の生活に流れる昭和の雰囲気がなつかしい(笑)。でも、今の学校だったらひいきだとか、体罰だとか言われて問題になったりするのかも。確かにひどい先生もいるんだろうけど、先生としてもなかなか個性を発揮しづらい時代なのかも。2017/08/27