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出版社内容情報
節分の夜、豆まきの音がしない一けん家にとびこんだおにのおにたは、病気の母を看護する少女に出会います。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
126
『人間っておかしいな。鬼は悪いってきめているんだから。鬼にも色々あるのにな。人間も色々いるみたいに』—節分に棲家を追いやられた黒鬼の子は病床の母を看病する貧しい娘の元へ辿り着き、彼女の健気な嘘を現実にすべくおにたは人間に扮して煮豆と赤飯を届ける。貧困や不条理を語るトーンの低さはあまんの真骨頂。いわさきの朧げな水彩画は幻想的なタッチを貫きながらも、少女の痩せ細った足や指先の悴みに真実味を添えている。見えないものを想像することは恐れにも救いにもなりうる。哀感と優しさと静けさを絶妙な按配で共在させた余韻は絶品。2024/03/15
ケイ
97
かなしくてせつない、オニのおはなし。女の子の優しさと残酷さがおにたを帰ってこれなくしたのかな。鬼がいると他の悪いものが恐がって入ってこれないから、鬼を追い払うのはよくないとどこかで読んだのを思い出した。2015/02/16
はる
75
優しいおはなし。誰も悪くないのに切ない終り方。複雑な余韻を残します。いわさきちひろさんの絵が抒情的で美しい。うるんだような澄んだまなざしに心が奪われます。2017/03/31
yomineko@猫と共に生きる
56
読み友様からのご紹介本です📙心優しい鬼のおにた。だけど、節分には鬼は外で豆を撒かれ、家には柊。柊は鬼の目を刺すという。鬼は悪いと決めている人間ってどうなんだろう。お腹を空かせた女の子に沢山食べ物を持って行くおにただが、、、2024/04/17
よむよむ
53
毎年節分の時期に読み聞かせを致します。そこはかとなく哀しい名作です。来年もきっと読みます。2014/03/09