出版社内容情報
新興超大国となった中国の国際的影響力は、政治、経済、軍事や文化など広い領域にまたがり、超大国アメリカとは対立と協力が併存している。中国・習近平政権が打ち出した巨大経済圏構想「一帯一路」は、「ポスト冷戦期」の国際秩序に大きな変容をもたらしている。「一帯一路」のプラス面だけでなくマイナス面をも正面から取り上げ、変容する国際秩序との関わりを明らかにする。
【目次】
目次
序章 「一帯一路」と国際秩序―問題の設定―
第1部 歴史から見る「一帯一路」(国際秩序と「一帯一路」―中国の対外政策方針の変化をめぐって―;「平和的な秩序変更」の理論は政策決定の基盤となりうるか―戦間期の平和構想と現代の戦争原因論との比較歴史分析―;価値外交の系譜における「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」―紐帯としての価値と普遍としての価値―)
第2部 地域・国際関係から見る「一帯一路」(中国の「一帯一路」イニシアティブに対するEUの視点―関係国の対中政策の違いで揺れるデリスキング―;「一帯一路」構想における文化交流は何を目指しているのか―理解と信頼を勝ち取るための努力とその課題―;アメリカの国際秩序形成とパブリック・ディプロマシー―歴代政権は何を行ってきたのか―;ASEAN諸国と中国―「一帯一路」と南シナ海をめぐる攻防―)
第3部 領域から見る「一帯一路」(デジタルシルクロード構想と経済安全保障―中国は国際ルールづくりにいかに取り組んでいるか―;中欧間鉄道輸送は競争力を維持しうるのか―地中海海上輸送の発展と輸送選択肢の多様化―;「一帯一路」の地政学―「韜光養晦」から「大国外交」への変化の中で―)
終章 「一帯一路」をめぐる日米関係と国際秩序
著者等紹介
浅野亮[アサノリョウ]
1955年青森県生まれ。現在、同志社大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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