白水Uブックス<br> ビザンツ皇妃列伝―憧れの都に咲いた花

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ビザンツ皇妃列伝―憧れの都に咲いた花

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  • サイズ B40判/ページ数 295p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784560721094
  • NDC分類 209.4
  • Cコード C0222

内容説明

黄金の満ち溢れるきらびやかな文化、帝位をめぐる血なまぐさい陰謀…。古代ローマ帝国の東西分裂の後、5世紀から15世紀半ばまで、ビザンツ帝国一千年の興亡を、庶民から他国の王女まで8人の皇妃の伝記として描き出す。

目次

皇妃たちの生きた世界―ビザンツ帝国へのいざない
1 アテナイス・エウドキア(四〇一~四六〇年)―ふたつの世界を生きた悲劇のシンデレラ
2 テオドラ(四九七頃~五四八年)―「パンとサーカス」に咲き残った大輪の花
3 マルティナ(六〇五?~六四一年以降)―近親相姦の罪に泣いた心優しい姪
4 エイレーネー(七五二頃~八〇三年)―権力の魔性に溺れた聖なる母
5 テオファノ(九四一頃~九七六年以降)―戦う男たちを飾る妖しい花
6 エイレーネー・ドゥーカイナ(一〇六七~一一三三年?)―新しい時代を生きた名門貴族の令嬢
7 アニェス・アンナ(一一七一/二~一二〇四年以降)―ふたつの祖国を喪ったフランス王女
8 ヘレネ・パライオロギナ(?~一四五〇年)―謎に包まれた最後の皇帝の母

著者等紹介

井上浩一[イノウエコウイチ]
1947年京都市生まれ。京都大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。専門はビザンツ帝国史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nat

19
ビザンツ帝国の皇妃を中心にしながら、ビザンツ帝国の歴史を読むことができる。ビザンツ帝国の皇妃につては全く知識がなかったが、とても興味深いものだった。ヴェネツィア の歴史から見た帝国とは、当然だが全く印象が違うものだった。特に印象深かったのはフランスから嫁いできたアニェス・アンナと、最後の皇帝の母ヘレナ・パライオロギナ。アニェスは、ヴェネツィア の歴史とも関わりが深く、ヘレナはマヌエル皇帝の妻であり、一千年の歴史の最後に生きた皇帝の母だったので、様々なことを想像でき、興味が尽きなかった。2019/02/13

サアベドラ

16
帝国一千年の歴史から8人の女帝や皇妃を選び出し、わずかな史料をもとに彼女らのドラマチックな生涯を描き出す。著者は『生き残った帝国ビザンティン』(講談社現代新書)の井上浩一。ビザンツの皇妃といえばテオドラが飛び抜けて有名だが、それ以外の名前を挙げられる人は西洋史を学んでいる人間でもそういないのではなかろうか。本書は強烈な個性を持つ皇妃たちを通し、ビザンツの高い集権性が生み出した王室の凄惨な権力闘争の一端を味わうことができる。ドロドロが好きな女性読者に受けそう。ただし歴史書としてはちょっと筆が滑りすぎかな。2013/06/10

組織液

12
いやぁ面白かったです!本当に井上先生の文はいい… 読み物的な要素も強く、筆者も認めている通り中々無理のある推定も見受けられますが、歴史学における史料に基づく想像というものがわかったような気がします。個人的にはエリレーネー・ドゥーカイナが一番好きですかね。2021/09/14

Toska

9
ビザンツ史の魅力を改めて堪能させてくれる一冊。皇妃たちの劇的な生涯を時代ごとの「象徴」として捉え、様々なものを引き出している。テオドラ皇后を悪し様に書いた「反フェミニストの歴史家」プロコピオスの筆致から当時の社会状況を浮かび上がらせる手並みなどは、職人芸的な鮮やかさと言っていいだろう。あとがきで述べられる本書の成り立ち、学生たちと一緒になっての手作り感も読んでいて楽しい。2022/12/24

きりぱい

9
ビザンツ帝国の八人の皇妃を取り上げた講義をまとめたもの。小説じゃないのに面白かった。近親相姦の罪に泣いた、稀代の悪女にして絶世の美女、息子の眼をくり抜いたのに聖人になったなど、本当のところ記録は少なく、それさえ疑わしいものだったり、想像でふくらませた話でもあるのだけれど、皇妃について回るドラマが劇的なほどそそられるもので。皇妃の選び方やなぜ女性は皇帝になれないかなど、帝国の価値観やあり方から見え隠れする疑問からも歴史の背景が解説されて興味深い。栄華を極めた帝国の滅亡までの歴史。千年ほどかあ、長いなあ。2013/11/14

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