出版社内容情報
賛否が分かれる論争的な問いに“いきなり”取り組むことによって、法哲学の概念や考え方を“体で覚える”テキストとして好評を得た『問いかける法哲学』(2016年刊)の続刊。“いきなり”実践型のアプローチはそのままに、問いかけるテーマを一新。法哲学の基礎から応用までを学ぶ。
目次
第1部 自由(ワクチン接種を義務化すべきか?;カジノを推進すべきか?;セックス・ワーカーになる自由はあるか?;人間の遺伝子を操作してよいか?;奴隷契約は有効か?)
第2部 平等(男性の育児休業取得を義務化すべきか?;ベーシック・インカムを導入すべきか?;男女別トイレは廃止されるべきか;ヘイト・スピーチを規制すべきか;子どもに選挙権を与えるべきか?)
第3部 法と秩序(死刑制度を廃止すべきか?;移民を自由化すべきか?;フェイク・ニュースを規制すべきか?;捕鯨をやめるべきか?;裁判官はAIで代替できるか?)
著者等紹介
瀧川裕英[タキカワヒロヒデ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえぽん
48
法学部等の学生向けに15の問いを設定し、法哲学者が分担執筆した入門演習書の第2弾。カジノ推進、人間の遺伝子操作、男性育児休暇取得の義務化、子どもへの選挙権付与、フェイクニュース規制、AIによる裁判官の代替など、現代的論点の可否について、各筆者による一定の立場や、可否を判断するための要考慮事項を提示。例えば、選挙権については、出生時に付与する完全普通選挙を導入し高校生からの行使を認めるべきとするなど、論点整理の方向性には異論もあるだろうが、その点を含め、高校生から一般社会人まで読者を限定しない良著との印象。2025/03/24
Go Extreme
2
ワクチン義務化→義務化・個人と社会 カジノ推進→依存症・経済効果 セックス・ワーカー→自己決定・性道徳 遺伝子操作し→技術・エンハンスメント 奴隷契約→自己所有系・パターナリズム 男性育児休業義務化→ジェンダー・ケア ベーシック・インカム→経済的平等・フリーライダー 男女別トイレ→マイノリティ・多様性 ヘイト・スピーチ→表現の自由・法規制 子どもに選挙権→デモクラシー・権利 死刑制度を→処罰感情・可謬性 移民自由化→国境・人権 フェイク・ニュース→情報・思想の自由市場 捕鯨→多文化主義・先住民族の権利2024/09/04
shukie331
2
興味あるテーマのみ拾い読み。学生や院生を対象にした本ということもあり、テーマごとに法哲学的な検討における論点を複数提示した上で、あとは読者の方で掘り下げてみてね、という感じの投げかけ方で終わるテーマが多い印象。この本のテーマを使って、ゼミとかで議論したら面白いだろうなと思う。2024/06/17
0
実践的な法哲学の入門書。ネット等でよく見かける議論についても法哲学の観点から複数の視点が提案されるため、それ自体としても面白い。2025/04/24
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