出版社内容情報
私たちの世界は多くの「音」と「声」に満ち溢れている。「音」と「声」により様々な情報が発信・受信され、私たちの生活を彩り、包み込み、構成している。普段意識することのない「音」「声」が人間の営みをいかに切り結んできたのかを振り返るとともに、「音」「声」というメディアの必要性を問い直す。
内容説明
「音声」というメディア、その深奥への招待。この社会には多くの「音」と「声」が存在し、様々な情報を伝え、日常会話としてコミュニケーションに用いられている。その声を伝えるメディアにはラジオや電話の他にも、一般に知られていない数多くの「メディア」が存在していた。本書では、我々と「音」「声」の関係を社会史という形で紐解く。そして、ふだん意識することのない「音」と「声」が、いかに我々との関係を切り結んできたのかを振り返ることで、その意味を問い直す。
目次
第1部 声と思考、音と人間の欲望(人間と音、声の関わり史―太古の音と声のコミュニケーションの始まり;人間の聴覚とコミュニケーション―発話と聞こえの仕組み(1)
声は人間が生み出すハーモニー―発話と聞こえの仕組み(2))
第2部 音と声を運ぶ音声メディア(瞽女と声の郵便―移動する声のメディアと身体;社会に遍在する女性の声とジェンダー―自動音声はなぜ女性声なのか;声のルッキズム―ジェンダーから声の社会性を読み解く;音や声を残す欲望―オルゴールとレコード、エジソンと死者の声;閉じた空間での音声メディアの存在―ナロウキャストラジオの存在と意味)
第3部 人を助け、人を苦しめる音声メディア(騒音と静寂―音と声をめぐる環境と社会;声のダークサイド―声が命を奪う 戦争と声のプロパガンダ;非日常と日常をつなぐ声―災害時にラジオが求められるもう一つの理由)
終章 日本文化における音と声―豊かな文化との調和
著者等紹介
坂田謙司[サカタケンジ]
1959年東京都生まれ。中京大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、立命館大学産業社会学部教授(メディア社会史、音声メディア論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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