目次
第1章 リベラリズムとナショナリズム―個の独立と、国の独立
第2章 リベラル・ナショナリズムの理論―リベラルな国民統合とは何か
第3章 ネイションの自律―集団的決定の方法としての民主制の可能性と限界
第4章 歴史をめぐるネイションの主張―過去の不正義の賠償と集団的責任
第5章 領域管轄をめぐるネイションの主張―ネイションはどの土地に管轄権を有するのか
補論 グローバリズムの向かい風に立ち向かう
第6章 人の流れのグローバリズム―国際的な移動の規制の正義
第7章 モノの流れのグローバリズム―国際的な富の分配の正義
第8章 リベラル・ナショナリズムの目的地―我々は何を目指しているのか
著者等紹介
川瀬貴之[カワセタカユキ]
1982年生まれ。京都大学大学院法学研究科法政理論専攻博士後期課程修了。博士(法学)。現在、千葉大学大学院社会科学研究院准教授。専門は、法哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MioCastello
5
人が家族や故郷を愛する気持ちは理屈ではない。 また理性でどうこうできるものでもない。しかしそんな正直な気持ちを迂闊にも吐露しようものならまるで極右主義者か差別主義者呼ばわりされるご時世だ。いつから世間は人間の本能を否定し偽善者として立ち振る舞わなければならない程生き辛い世の中になってしまったのであろうか?本書は悪魔思想のように見られ不当に虐げられているナショナリズムを再評価しその思想は決してリベラリズムの対極思想ではなく両者の相互補完的な組み合わせこそが今後の近代国家には必要だと説いていく。2021/08/29