内容説明
20世紀初頭、欧米を中心に展開した多元的国家論は革新的な革説であったといえる。それは、国家(主権)の絶対性を否定し、国家の機能(団体)化をはかったからである。と同時に、“制度論”的政治学から“機能論”的政治学への転換をうながした点でも注目される。大正デモクラシー期、日本の思想界は、多元的国家論をリアル・タイムで積極的に受け容れた。多元的国家論が日本の近代政治学にあたえた影響を検証するにあたり、本書では三人の学者(原田鋼、岩崎卯一、河合栄治郎)をピック・アップし、彼らの所説の読み取り作業をとおして、問題の解明をこころみた。
目次
第1章 日本における多元的国家論の展開(欧米における多元的国家論の展開;日本における多元的国家論の受容)
第2章 原田鋼と多元的国家論(主権論の展開;多元的国家論の究明 ほか)
第3章 岩崎卯一と多元的国家論(法社会学的究明;国家本質の究明 ほか)
第4章 河合栄治郎と多元的国家論(多元的国家論への接近;思想体系における多元的国家論の位相 ほか)
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