内容説明
時間、確率、熱力学のユニークな解釈。物理学の書であると同時に、政治的関心を背景に、思考の古典的地平を超え、徹底した反省に基づいて存在を論ずる哲学の書でもある。
目次
第1部 時間と確率(時間命題の論理学;確率;不可逆性とエントロピー;情報と進化)
第2部 物理学の統一(理論の組織;量子論の予備的考察;抽象的量子論の再構成;特殊相対性理論;粒子、場、相互作用)
第3部 物理学の解釈(量子論の解釈問題;情報の流れ;量子論の彼岸;哲学者の言葉で)
著者等紹介
ワイツゼッカー,カール・フリードリヒ・フォン[ワイツゼッカー,カールフリードリヒフォン][Weizs¨acker,Carl Friedrich von]
1912年ドイツのキールに生まれる。父は後に外務次官、弟は元ドイツ大統領リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー。ベルリン、ゲッティンゲン、ライプツィヒの各大学でハイゼンベルクなどに物理学を学び、1933年ライプツィヒ大学で博士号を取得。1934年ライプツィヒ大学理論物理学研究所助手、「ワイツゼッカー・ウィリアムズ法」を発表。1935年「ワイツゼッカー・ベーテの質量公式」を発表。1936年ライプツィヒ大学で教授資格を得て、カイザー・ヴィルヘルム研究所研究員、ベルリン大学講師。恒星の核反応に関し、1937年「p‐pチェイン」、1938年「CNOサイクル」を提唱。1942‐45年シュトラースブルク大学理論物理学教授。1946年マックス・プランク物理学研究所主任研究員、ゲッティンゲン大学物理学教授。1957‐69年ハンブルク大学哲学教授。1970‐80年「科学技術世界の生存条件研究のためのマックス・プランク研究所」所長。2007年4月28日没。「ドイツ語圏で最後の博学者」と言われた
西山敏之[ニシヤマトシユキ]
1922年生まれ。大阪大学理学部物理学科卒。大阪大学教授、大阪工業大学教授を経て、大阪大学名誉教授
森匡史[モリマサフミ]
1940年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程(哲学専攻)単位取得退学。神戸大学教授を経て、神戸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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