出版社内容情報
20世紀初頭、イギリスでは救貧の考え方に則らない新たな社会保障制度が創設された。本書はこの老齢年金、国民健康保険、失業保険の3つの制度を取り上げ、公助を再定位した福祉再編の歴史的過程を考察する。自立的生活の基盤が脆弱で支援が必要だとされるリスペクタブルな貧者は、どのように社会問題化し、また社会権付与の対象を制限したのか。現代の社会福祉政策にいたる前史を追う。
内容説明
支援に値する貧者とは誰か。市民社会に公助が織り込まれていった歴史的過程を、地位としての社会的シティズンシップから考察する。
目次
第1章 リスペクタビリティ・階層・福祉―リスペクタビリティの政治と福祉再編
第2章 「援助に値する」失業者と慈善―失業対策分野における慈善組織化協会
第3章 「新労働組合主義」と最低生活保障―非熟練臨時労働者の貧困問題
第4章 支援・援助に値する高齢貧困者―「普遍的」老齢年金制度案と一九〇八年老齢年金法
第5章 社会改革の思想―ニューリベラリズムとフェビアン社会主義
第6章 一九一一年国民保険法―健康保険制度と失業保険制度
著者等紹介
山本卓[ヤマモトタク]
1975年生まれ。法政大学法学部と立教大学大学院法学研究科で政治学を専攻。博士(政治学)。立教大学法学部助手・助教・特任准教授などを経て、法政大学法学部政治学科教授。専門は、イギリス社会政策・福祉国家史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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リスペクタビリティ・階層・福祉ーリスペクタビリティの政治と福祉再編:社会主義・急進主義・ニューリベラリズム 援助に値する失業者と慈善ー失業対策分野における慈善組織化協会:無差別な救済 COS式ケースワーク 新労働組合主義と最低生活保障ー非熟練臨時労働者の貧困問題:ナショナル・ミニマム 支援・援助に値する高齢貧困者ー普遍的年齢年金制度案と1908年年齢年金法 社会改革の思想ーニューリベラリズムとフェビアン社会主義:ホブハウスの自由主義的社会主義 1911年国民保健法ー健康保険制度と失業保険制度 2021/02/27