内容説明
脱成長の時代におけるほんとうの豊かさとは?大量生産・大量消費と環境破壊が進むなかで、人間と人間、人間と自然とのより豊かで自立共生的な関係を追求したガンディーの思想と実践を軸に、持続可能な社会への転換を探る。
目次
序章 身の丈の経済論
第1章 ガンディーの生涯―「真理」の実験の記録
第2章 ガンディー研究をめぐる論点
第3章 宗教観―コンヴィヴィアルな倫理の形成
第4章 経済思想の基本構造
第5章 チャルカー運動
第6章 受託者制度理論
第7章 ガンディー死後の「ガンディー主義」―サルヴォーダヤ運動
第8章 ガンディー思想と経済学
終章 ガンディー思想とグローバリゼーション
著者等紹介
石井一也[イシイカズヤ]
1964年、東京都生まれ。1988年、早稲田大学政治経済学部卒業。1991年、早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。1997年、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。香川大学法学部講師、助教授、スタンフォード大学経済学部客員研究員などを経て、2008年より香川大学法学部教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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ガンディーが、多様性と寛容の精神を重んじてきたインドで、真理を追求してきたことは、重要。21Cの私たちは、グローバル社会と思考様式を批判的にみることができる(41頁)。もうひとつのポスト近代主義:ガンディーの身の丈の経済の論理とコンヴィヴィアルな倫理を積極評価しようとする思考(63頁)。彼の真理と仏教の教えとの共通性:不殺生、慈悲の倫理(81頁)。彼はトルストイ『神の国は汝自身のうちにあり』を感動して読んだ(86頁)。また、ラスキン『この最後の者にも』を読んで信念を再発見している(89頁)。2015/07/12