誘惑する他者―メルヴィル文学の倫理

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誘惑する他者―メルヴィル文学の倫理

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  • サイズ A5判/ページ数 300p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784588495229
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C3098

出版社内容情報

『白鯨』『ビリー・バッド』「バートルビー」をはじめ、安易な解釈を許さない数々の問題作で知られる19世紀米国の大作家メルヴィル。その主要作品群を精読し、誘惑すると同時に理解を拒絶する他者、配達不能郵便(デッドレター)のモチーフ、孤独や共同体や帝国主義的暴力の問題など、書くこと/読むことの根源に関わるテーマを徹底的に掘り下げる。読解への最高の手引きとなる一冊、ここに誕生!

内容説明

『白鯨』『ビリー・バッド』「バートルビー」をはじめ、安易な解釈を許さない数々の問題作で知られる19世紀米国の大作家メルヴィル。その主要作品群を精読し、誘惑すると同時に理解を拒絶する他者、配達不能郵便(デッドレター)のモチーフ、孤独や共同体や帝国主義的暴力の問題など、書くこと/読むことの根源に関わるテーマを徹底的に掘り下げる。メルヴィル読解への最高の手引き。

目次

第1部 他者を求める―孤独な水夫たち(『白鯨』における寂しい個人主義;『イズラエル・ポッター』における倫理的寂しさ;痕跡を書き残す―『ジョン・マーと水夫たち』における孤独の共同体)
第2部 他者を見つける―不気味な自己像(他者を貫く―『タイピー』における個人と共同体;「誰も自分の父たりえない」―『ピエール』におけるデッドレターと血縁)
第3部 他者を取り込む―帝国的欲望(時間の暴力に抗う―「エンカンタダス」における不確かな未来;差異を超える―「ベニト・セレノ」における認識の詩学)
第4部 他者を覗く―沈黙の裂け目(秘密の感情―『信用詐欺師』における障害と公共空間;バートルビーの机―情動理論とメルヴィル文学;ビリーを撃つ―媒介される内面)

著者等紹介

古井義昭[フルイヨシアキ]
1982年生まれ。エモリー大学英文科博士課程修了(Ph.D.)。現在、立教大学文学部教授。専門は19世紀アメリカ文学。単著にModernizing Solitude:The Networked Individual in Nineteenth‐Century American Literature(University of Alabama Press、2019年/日本アメリカ文学会賞・アメリカ学会清水博賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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iwateaihashi

1
それぞれの作品でメルヴィルが作家としてどのような<書くことの倫理>を探究し、読者にどのような<読むことの倫理>を求めているかが論じられ、読み進めるごとに、<書くことの倫理>と<読むことの倫理>を探究し続けた作家としてのメルヴィル像が鮮明に浮かび上がる。議論の緻密さや鮮やかさはもちろんのこと、読みやすさと美しさが両立している文章もすばらしい。2024/04/20

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