出版社内容情報
19世紀末ウィーンが生んだ異才カール・クラウスが遺した前人未到・空前絶後の反戦文学。訳者渾身の解説を上下巻とも新たに書き下…「作者は《引用》を唯一の創意とした」。──19世紀末ウィーンが生んだ異才カール・クラウスは、皇帝から亡命者に至るまで、現実に語られた厖大な言葉を織り上げ、人類未曾有の悲劇である第一次世界大戦を描き出した。上演時間10日あまり、実在の登場人物数百名という尋常ならざるこの戯曲は、血が吹き出すようなグロテスクと滑稽に彩られている。クラウスに情熱を捧げた訳者による渾身の書き下ろし解説!
はしがき
序 幕
第一幕
第二幕
第三幕
訳 注
カール・クラウスの手法――上巻のための解説
カール・クラウス[クラウス カール]
1874-1936年。オーストリアの批評家、諷刺家、詩人、劇作家。20代で個人誌を発刊。鋭敏な言語感覚によりジャーナリズムの用語、措辞をとらえ、モラルの腐敗、社会的欺瞞を糾弾。第一次世界大戦に際しては戦時特有の言葉を証拠物件として、悪の集合体としての巨大悲劇『人類最期の日々』を完成。ナチズムの台頭をいち早く『第三のワルプルギスの夜』として痛烈に断罪した。代表作はほかに言語批判の集大成である『言葉』など。戦後、特異な言語思想家としての再評価が始まった。
池内 紀[イケウチ オサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト。主な著書に、『ことばの哲学――関口存男のこと』(青土社、2010年)、『恩地孝四郎――一つの伝記』(幻戯書房、2012年)、『戦争よりも本がいい』(講談社、2014年)、『カール・クラウス――闇にひとつ炬火あり』(講談社、2015年)など多数。主な訳書に、『カフカ小説全集』(全6巻、白水社、2000-2002年)など多数。
内容説明
19世紀末ウィーンが生んだ異才カール・クラウスは、第一次大戦中に語られた厖大な言葉を蒐集し、織り上げて壮大な戯曲を生み出した。血が噴き出すような空前絶後の諷刺劇。
著者等紹介
クラウス,カール[クラウス,カール] [Kraus,Karl]
1874‐1936年。オーストリアの批評家、諷刺家、詩人、劇作家
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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