内容説明
ナショナリズムと民族自決、軍国主義とダーウィニズム、覇権的野心と神経症的不安、革命への期待と恐怖…大戦期の時代精神に迫る、定評ある入門書。
目次
第1章 一九一四年のヨーロッパ
第2章 戦争勃発
第3章 一九一四年―緒戦
第4章 一九一五年―戦争継続
第5章 一九一六年―消耗戦
第6章 アメリカ参戦
第7章 一九一七年―危機の年
第8章 一九一八年―決着の年
第9章 講和
著者等紹介
ハワード,マイケル[ハワード,マイケル] [Howard,Michael]
1922年、イギリス生まれ。オックスフォード大学クライストチャーチ校卒業。同校在学中の1943~45年、第二次世界大戦に従軍。以後、ロンドン大学教授、オックスフォード大学教授、イェール大学教授を歴任。イギリスを代表する戦争史、戦略史、クラウゼヴィッツ研究者
馬場優[ババマサル]
1967年、宮崎県生まれ。大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程単位修得退学。オーストリア=ハンガリー帝国外交史、オーストリア現代政治専攻。現在、福岡女子大学国際文理学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
65
開戦百周年に出されたコンパクトな戦史。年ごとに整理され、どんな戦争だったかをざっくり掴むには適書と思う。西部・東部のヨーロッパ戦線以外についても、バランスよく説明されている。最後に講和について章が設けられていて、その中で特にフランスが戦争開始の責任をドイツに押しつけたことが、「匕首神話」と共に後のヒトラーの台頭につながっていくとする。また賠償金の件については、ケインズ『平和の経済的帰結』による批判を取り上げており、こうした気づきがあっても当時の国民の熱狂を背負った政治家が過激に流れるのは防げなかった。2024/08/16
ジュン
10
非常に簡潔な「最初の総力戦」の入門書。原著はわずか120ページほどだが、内容にいささかの省略もみられない。クラークの『夢遊病者たち』のその後を見事に描ききっている。2020/12/09
Z
5
軽めの歴史書。第一次世界大戦の通史。読んでいて、文官統制とれてないと、軍部が暴走して歯止めがきかなくなることがわかる。ドイツの用いた毒ガスなどの化学兵器が、相手国に非人道的と喧伝され、対独包囲を強化する要因になった。ソ連の革命が、初めは、民主主義の防衛という大義名文をかがけられるため、アメリカに好意的にとられたなど、興味深かった。2015/07/31
belier
3
確かにコンパクトによくまとまった第一次世界大戦の入門書。「八月の砲声」は戦争が始まって3ヶ月弱を詳述して終わったので、第一次世界大戦全体を概観したかったのだが目的は達せられた。2015/04/11
Hiroshi Higashino
1
バランスの良い入門書.時間を作ってもう少し踏み込んだ本も読みたくなる.なんとなくだけど、きっかけが何だろうと第一次世界大戦は必然だったように感じる.2024/06/17