出版社内容情報
ギロチンの出現するフランス革命期を中心に,7代200年にわたって死刑執行人をつとめたサンソン家の年代記。処刑人の心理を通して今なお続く死刑制度を見すえる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiriya shinichiro
2
処刑人は結婚について制限があるって書いてあるけど、あれ、割と融通がきいているような、きいていないような…… ギロチンすらない時代から(発明したお医者さんは気の毒だったね)、それこそ「ベルサイユのばら」の世界、それからナポレオンの没落……そんな大量殺戮の時代の執行人じゃ、それは大変だよね。しかし同時に医者をやっていて尊敬されているっていう描写もあって……学校にはバレちゃだめだし……忌避の具合がよくわからない……。2018/04/24
小夜
0
ユゴーの死刑反対あたりの社会的傾向以外は、新書の「死刑執行人サンソン」で概説されている内容とほぼ違わないので、新書の方だけ読めば十分な気がする。 ドイツの首斬役人の手記のマイスターぶりと比較すると面白い。2016/02/03
massda
0
フランス革命の際に死刑が大量生産されたのは、人民の皆さまの頭がおかしくなっていたせいなのでしょうが、死刑執行人であるサンソン家は比較的理性を保っていたように見受けられます。国が経費を払ってくれなくて自腹を切って他人の首を切っていたのがかわいそうでした。ストライキの概念が無かったんだな。2015/11/23
こま
0
タイトルで内容全てを説明してる1冊。とても面白い。そして哀しい。誰もしたがらない仕事ではあるけれど、誰かがやらなくちゃならないから、したくないのにしてるのに、万人から蔑まれる。死刑執行人の家系に生まれたからにはそれ以外の仕事に就けない。読んでるこちらまでプレッシャーで押しつぶされそうな気分になる。2015/10/15
soran
0
実に面白かった!死刑については様々な論議があるが、忘れてはならないのは、法に基づいて執行する当事者が負うトラウマだ。死刑というものがある限り誰かが「人を殺す」ということを実行せねばならない、という側面は、ともすると忘れられがちではないかと思う。この本ではそういうことをつくづく考えさせられた。風俗、歴史面での興味深さに加え、この職業に携わる宿命を負ったサンソン一族それぞれを人間として掘り下げていて、好著。 2014/11/19
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