出版社内容情報
歴史学における文書の収集・整理・保存のあり方と、社会科学における記録資料の活用の可能性を研究と教育の現場から実践的に考える。一橋大学大学院社会学研究科の先端課題研究における「アーカイブズ」をめぐる共同研究の成果。信濃国松代藩真田家の文書にみる武士と百姓の関係、幕末の江戸城における儀礼、明治前期における新聞の受容と読者のネットワーク、市民団体・大学自治の資料にみる社会運動、戦時中の史料を使う歴史教育、戦跡という記憶、収集活動と歴史意識の変容など、様々な分野で歴史資料に新たな角度から光を当てる資料研究とともに、文書の収集・整理・保存のあり方と、社会科学における記録資料の活用の可能性を、歴史研究と教育の現場から考える。
編者まえがき
第一部 日本前近代史研究とアーカイブズ
第一章 訴訟からみた近世社会の特質──信濃国松代藩領を事例として(渡辺尚志)
第二章 慶応期幕府奏者番における師弟関係と手留管理(吉川紗里矢)
第三章 明治前期における「好古家」の新聞受容──埼玉県比企郡番匠村小室元長の交友関係を中心に(古畑侑亮)
第二部 近現代の歴史研究・歴史教育とアーカイブズ
第四章 市民団体(市民アーカイブ多摩)における市民活動一次資料アーカイブズ化の取り組み──「懸樋哲夫氏旧蔵電磁波運動資料」の整理過程を事例に(長島祐基)
第五章 一九六〇年代の一橋大学における「大学の自治」論と教職員組合──史料整理から大学史における組合の位置づけを考える(伴野文亮)
第六章 歴史教育における史料活用の可能性──柳条湖事件を描いた漫画を例にして(関原正裕)
第三部 海外におけるアーカイブズと歴史研究
第七章 グアムにおける追悼・慰霊の空間──「想起の場」としての戦跡を考える(新井 隆)
第八章 キリー・キャンベルの収集活動から見る歴史意識の変容──南アフリカにおけるアーカイブズ構築の一事例(上林朋広)
執筆者紹介
渡辺 尚志[ワタナベ タカシ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。一橋大学大学院社会学研究科教授。日本近世史専攻。『百姓の力』(柏書房、2008年、2015年にKADOKAWA〈角川ソフィア文庫〉より再刊)、『百姓たちの江戸時代』(筑摩書房〈ちくまプリマー新書〉、2009年)、『幕末維新期の名望家と地域社会』(同成社、2014年)。
内容説明
一橋大学大学院社会学研究科の先端課題研究における共同研究の成果。真田家文書にみる武士と百姓の関係、幕末の江戸城における儀礼、明治における新聞の受容と読者のネットワーク、市民団体・大学自治の記録資料にみる社会運動、戦時中の史料を使う歴史教育、戦跡という記憶、収集活動と歴史意識の変容など、様々な領域の現場から「アーカイブズ」のあり方と活用の可能性を考える。
目次
第1部 日本前近代史研究とアーカイブズ(訴訟からみた近世社会の特質―信濃国松代藩領を事例として;慶応期幕府奏者番における師弟関係と手留管理;明治前期における「好古家」の新聞受容―埼玉県比企郡番匠村小室元長の交友関係を中心に)
第2部 近現代の歴史研究・歴史教育とアーカイブズ(市民団体(市民アーカイブ多摩)における市民活動一次資料アーカイブズ化の取り組み―「懸樋哲夫氏旧蔵電磁波運動資料」の整理過程を事例に
一九六〇年代の一橋大学における「大学の自治」論と教職員組合―史料整理から大学史における組合の位置づけを考える
歴史教育における史料活用の可能性―柳条湖事件を描いた漫画を例にして)
第3部 海外におけるアーカイブズと歴史研究(グアムにおける追悼・慰霊の空間―「想起の場」としての戦跡を考える;キリー・キャンベルの収集活動から見る歴史意識の変容―南アフリカにおけるアーカイブズ構築の一事例)
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。一橋大学大学院社会学研究科教授。日本近世史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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