出版社内容情報
古文書学界の四半世紀に及ぶ研究の発展によって提起された問題を検討して自らの見解を示し,数々の改訂.増補を施し全面的に組み直された,佐藤古文書学の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
邑尾端子
6
大学時代に史学生必読の図書として購入したものの、当時の自分には情報量が多過ぎてパンクしてしまい結局通読することなく卒業してしまった。社会人になり、基礎的な古文書読解などもできるようになった今読み返してみたら、なんと読みやすく、包括的かつ要点が整理された大著であったことか。なぜ学生時代にこれをしっかり読んでおかなかったのか、あまりに勿体なくて後悔。2014/09/30
書痴楽
4
法政大学通信教育部の学生のために書かれた本書は、日本大学通信教育部の古文書学でも使われることがある。図版を多用し、場合によっては訓読も書かれており、漢文が苦手な人も対応しているなど丁寧な作りを心掛けていることに好感を持てた。中世史を学ぶ学生には必読の書だと思う。2014/08/06
いいちこ
3
これを読まなくては史学徒を名乗ってはいけない。全く入門書ではない。 古文書学の大家、故相田二郎氏に師事した著者の大著。古代から近世まで、幅広い文書の説明をおこなう。 さて、本書では古文書を類型化し、説明を加えるが、様式に力点を置くため、発給のためのプロセスについては説明されない。すなわち、文書論で最も重要である、受益者からの申請に基づき文書が発給されるという説明がなされない。 また様式の説明に力点を置くため、様式論にとどまり、文書から歴史像を描くことはしていない。
オオモリヨウヘイ
3
入院中に読み返してみた。まだまだ消化不良だと思う・・・2016/02/11
左京大夫
2
中世史専攻ならば必ず1冊は持っているであろう、必携の名著です。入門と言いながら、初学者にとってはちっとも入門書ではありません。しかし、ある程度勉強した頃には、入門書に見えてくる、不思議な本です。本書が入門書に見えてきたら初学者卒業と言っていいでしょう。2019/01/04