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出版社内容情報
伊達政宗が唐人の上げるものを観賞したのが、日本の花火の始まりである。徳川家康をはじめ武家や高僧など特権階級の接待に使われた花火は、徐々に庶民に身近な娯楽となっていく。火事を恐れる幕府がなんど禁じても街中で上げる人は後を絶たず、隅田川花火が始まれば押し寄せる群衆で橋の欄干が落ちた。武士も町人も、大人も子供もとりこにし、夏の風物詩になる現在までの歴史と技術的変遷をたどる。
内容説明
平和な世に咲く大輪の華。お殿様の接待から庶民の娯楽になるまで。
目次
中国からの渡来と貴人の観賞
国産化と武士・町人が楽しむ花火
裾野の広がり
大型花火と狼煙技術の進歩
文化・文政期の花火と技術書の出版
『花火秘伝集』と六種類の花火
隅田川花火の天保改革期の動向
納涼花火と大花火・川開花火
武士の火術稽古
武士の技術書と昼花火
大名の花火鑑賞
町と村の花火
旧武士たちの参入と西洋の化学薬品
市場の拡大と専業化
新しい観衆と花火大会の誕生
著者等紹介
福澤徹三[フクザワテツゾウ]
1972年福岡県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、すみだ郷土文化資料館資料館学芸員、埼玉学園大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
このシリーズ本は日本の文化の歴史をある観点からとらえたもので私には非常に興味あるものが多く取り上げられています。花火は中国から渡来したもので狼煙との関連から始まってそのはじめは伊達政宗が見たという記述が最初のようです。花火自体の分析というよりも花火がどのように扱われてきたかの歴史的な分析です。カラフルな写真も収められていて楽しめました。2019/12/26
西野西狸
9
江戸時代から明治までの花火の文化史。江戸時代は花火の幕府の規制や玉屋・鍵屋、秘伝書などから明らかになる花火の製法などを記す。興味深いのは明治以降でスターマインという言葉が既にこの頃あったということや日露戦争後に花火ブームが発生したことなど知っているようで知らなかった夏の風物詩の近代が史料とともに記されていて面白かった。2019/10/03
佐々木
2
原点がそこにあるのか2019/09/30