出版社内容情報
海苔の歴史は厳しい自然とのたたかいの歴史だった??採取から養殖,加工,流通,消費に至る先人たちの苦難の歩みを史料と実地調査によって浮彫にする食物文化史。
内容説明
ノリと日本人とのかかわりの歴史を史料と実地調査によって克明に跡づけ、採取、養殖、加工、流通、消費にわたる開拓者たちの苦難の足跡を辿りつつ、米食中心の日本の食文化において果たしてきたその重要な役割を探る。
目次
海苔を語る
海苔さまざま
海苔史のあけぼの
平安京におけるノリ
中世のノリ
浅草海苔の誕生
浅草ノリの本場と浅草
江戸料理の中のノリ
文人墨客の感興をよぶ
日本橋と大森のノリ商
品川の海で養殖始まる
抄きノリの創案
御膳ノリ献上
江戸式製法の伝播
浅草ノリ産地、各地に誕生
新々産地の勃興
西国の伝統ある産地、広島
大坂のノリ市場
岩ノリの昨今
十六島ノリ
日本海の有名岩ノリ
明治維新以降のノリ
ノリ商の活躍
第三次躍進期を迎える
著者等紹介
宮下章[ミヤシタアキラ]
1922年長野県伊那谷に生まれる。大倉高商卒業。長野県下の高校で教鞭をとるかたわら、長年にわたり和紙、凍豆腐、海藻、鰹節などの研究をつづけ、全国を調査旅行。現在、食物文化史の研究に専念
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鯖
20
末に日本を訪れた米人曰く「日本人は木と紙の家に住み、黒い紙を食べる」そんな海苔は出雲国風土記に書かれたのが初出。海苔高くなっちゃったけど美味しいよね。おにぎりだいすき。お米も高い。切ない。平安期は五位以上の食べ物だったそうで、紫式部の娘ちゃんは食べれたけど、旦那と父は食べられなかったんだな…。江戸時代、海苔の製法は門外不出だったが、貨幣経済の広がりと共に、生産者の漁村から海苔栽培を望む半農半漁の貧しい村に広がったのは、株仲間やギルドへの反発が生産者たちにあったからとのこと。2025/03/07
MSTR
1
海苔について、大和言葉による呼び名に始まり、古代からの歴史背景が綴られてあるが、特に、浅草海苔について、その誕生から江戸料理への普及、ノリ巻きスシ、江戸前、と連なる記述に興味を持った。 税込みで 3,630円、中古でも 約2,600円+送料、図書館等で出会ったら一読お薦め。2022/07/26