出版社内容情報
モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。
内容説明
ノーベル賞作家カネッティの旅の記録。モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。
目次
駱駝との出会い
スーク
盲人の叫び
マラブートの唾
家の静寂と屋根の空虚
格子窓の女
ミッラ訪問
ダッハン家
語り手と書き手
パン選び
中傷
驢馬の悦楽
“シェーラザード”
見えざる者
著者等紹介
カネッティ,エリアス[カネッティ,エリアス] [Canetti,Elias]
1905年、ブルガリアのスパニオル(15世紀にスペインを追われたユダヤ人の子孫)の家庭に生まれ、少年時代をヨーロッパ各地で過ごし、ヴィーン大学で化学を専攻、のちイギリスに亡命し、群衆・権力・死・変身をテーマにした著作をドイツ語で発表。1994年8月14日チューリヒで死去、89歳。1981年度ノーベル文学賞受賞
岩田行一[イワタコウイチ]
1930年生まれ。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京都立大学名誉教授。2004年9月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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