出版社内容情報
「近代欧洲列国盛衰」と副題された本書は,ランケ(1795‐1886)の代表作であり,また近代史学の結晶である.それはペダンティクな片鱗さえ認められぬ烈々たる救国の熱意によって貫かれている.それ故に本書は「ドイツ民族文学の珠玉篇のひとつ」と称せられているのである.史学的認識の要請と政治的実践の要求のみごとな綜合の成果.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
式
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◯ルイ十四世のフランスがいかに強大であったか→それとの対抗に発するイギリス、オーストリア、ロシア、プロイセンの強大化及びフランスの同盟的関係たるトルコ、スウェーデンの弱体化→対外関係の悪化によるフランス国民の政府不信=革命の最も重要な原因の一つ(革命の初期から対外的反抗の傾向)以上の流れを連関的・有機的に見事に描き出している。◯フランスが席巻した要因を、兵制だけでなく力の一点への集中、国民意識の若返りであると見抜き、これが時代精神であり、単なる解体ではなく新たな原理を建設した点に現代の特色を見出している。2023/02/24
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