出版社内容情報
ユダヤ = ドイツ知識人たちとの多彩な交流を回想しつつドイツにおける市民的啓蒙と文化的共生の失敗の歴史を跡づけ,ナチによる暴虐を許した知識人の責任を問う。
内容説明
1933年、ナチの政権獲得によって、それまで語られていたユダヤ人とドイツ人の共生の夢と文化的協力関係があえなく崩れ去ってしまったのはなぜか―クラウス、アドルノ、ブレヒト、ベンヤミン、ショーレムらユダヤ=ドイツ知識人たちとの多彩な交流を回想しつつドイツにおける市民的啓蒙と文化的共生の失敗の歴史を跡づけ、ナチによる惨劇を許した知識人の責任を厳しく問い直す。
目次
1 取り消しの日―一九三三年一月三十日の回想
2 開始の希望―フェーリクス・メンデルスゾーンの歴史的瞬間
3 オーストリア=ハンガリー帝国に生まれた者たちの履歴
4 ユダヤ教を信仰するドイツ市民
5 ドイツ人、ユダヤ人、共産主義者
6 「ドイツ人とユダヤ人」についてのユダヤ人の対話
7 取り消しのあとのドイツ人とユダヤ人
著者等紹介
マイヤー,ハンス[マイヤー,ハンス][Mayer,Hans]
ドイツの国際的な文芸評論家・文学史家。1907年ユダヤ系ドイツ人としてケルンに生まれる。34年スイスに亡命。亡命中、ホルクハイマー、アドルノらの社会研究所で社会学、政治学の研究に従事。また、トーマス・マン、ブルクハルトらとの交友で文学を研究。戦後帰国し、48年東ドイツのライプツィヒ大学の現代ドイツ文学の正教授となる。55年国家学術賞受賞。63年自由な批判精神への一連の弾圧を逃れて滞在中の西ドイツに留まる。65‐73年ハノーファー工科大学ドイツ文学教授、「グルッペ47」の主要メンバーとして活躍。66年、ドイツ批評家協会文学賞を受ける。74年からテュービンゲン大学で客員教授を務める。2001年5月テュービンゲンで死去
宇京早苗[ウキョウサナエ]
1971年九州大学大学院修士課程修了。1988年から2年間テュービンゲン大学客員研究員。三重大学人文学部教授
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