出版社内容情報
さまざまな〈ごまかし〉の手口と規制や刑罰,支払い方法,陳列や宣伝の技法など,〈売り手〉と〈買い手〉のドラマを生き生きと描いて時代の姿を等身大に映し出す。
内容説明
余剰農産物が生み出されるようになった時代から物が氾濫する現代まで、〈買い物〉はつねに社会的行為であり、人と人とのかかわりあいであった。価格の設定と価格の統制、さまざまなごまかしの手口とそれに対する規制や刑罰、支払い方法、商品の陳列や広告・宣伝の技法など、〈買い物〉にかかわるありとあらゆる現象の変遷を通して、時代のすがたを等身大に描く。図版・一次資料を多数収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フェイ
3
本書はイギリスにおける中世から現代(1970年代)ぐらいまでの客商売に関する歴史が記されている。 手紙や絵画が豊富に使われており、非常に臨場感を持って中世の状況が描かれる。例えば、各都市ごとに異なる度量衡を政府は何度となく統一しようとしたが、商人達は慣れたものを使いたがり頓挫した。市場での公平性を担保するため、市場を柵で囲み、開業時間前に売ると罰を受けた。また、貨幣の絶対量が少ないため支払いが遅れた。銀行もなかった。時代は異なるが、同じく銀行がない新大陸では皆は土地や家具を買って預金代わりにしたという。2015/10/24