出版社内容情報
私たちの民族、私たちの領土、私たちの国家と名指すとき、あるいは私たち労働者、私たちマイノリティ、私たちサバルタンと名のるとき、そこには政治が生まれ、歴史が前景化する。人びとを団結させ同時に分断する、多義的かつ可塑的なこの〈私たち〉という言葉のありようを哲学的に分析する気鋭の挑戦。世界中で同一性をめぐる戦争が繰り広げられる今こそ読まれるべき現代思想の最前線がここにある。
【目次】
第一部 透写紙
一人称複数
万物─私たち─私
三つの反論
私は私
私たちみんな
〈利害に基づく私たち〉と〈理念に基づく私たち〉
どんな私たちも分割システムである
分割の争い
交差点のモデル
透写紙のモデル
輪 郭
部分重複
半透明と不透明
被 覆
基 盤
第二部 制約
第一章 私たちの基盤
種
ジェンダー
人 種
階 級
年 齢
解体のプロセスの一般的物語
第二章 力学
理想主義の約束
キリスト教の約束
共産主義の約束
進化論的楽観主義
現実主義による事実確認
歴史的な事実確認
政治的な事実確認
隣人への攻撃性
延長と強度の力学
〈私たち〉は決して〈私たち自身〉と一致しない
第三章 支配
非対称性
不平等における平等
〈私たち〉の内なる〈彼ら〉
支配の必然性
解放の必然性
現実的支配、支配の効果、被支配感覚
戦略的マイノリティ
闘争の場としての支配の歴史
〈私たち〉の〈私たち〉に対する戦争
第四章 〈私たち〉の終わりと目的
謝 辞
訳者解説
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ラウリスタ~