内容説明
「絶対的なものからの解放」をめざすブルーメンベルクの根本思想。神や自然、あるいは歴史などを一括して“現実”と呼び、それが与える恐怖を終わらせるところに神話の機能があるとし、その機能が宗教、神学、形而上学、芸術に受け継がれ、科学者の背後にも「神話の変奏」が潜んでいることを明らかにする。
目次
第1部 太古における権限分割(「現実による絶対支配」以後;名状しがたい混沌への名前の闖入 ほか)
第2部 物語の歴史化(時代を見る遠近法の歪み;基本神話と芸術神話 ほか)
第3部 火を奪った償い(継承の源泉としての源泉の継承;ソフィストとキュニコス学派―プロメテウス物語の光と影 ほか)
第4部 神に逆らう神(「起爆剤」;神と神との対立 ほか)
第5部 プロメテウス・この百年(歴史哲学を経て;再び孤島の岩山で ほか)
著者等紹介
ブルーメンベルク,ハンス[ブルーメンベルク,ハンス][Blumenberg,Hans]
1920年ドイツのリューベックに生まれる。パーダーボルンとフランクフルトで哲学と神学を学ぶ。1950年キール大学で教授資格を取得。60年ギーセン大学正教授、この頃エーリヒ・ロータッカーの推薦でマインツのアカデミー会員となり、独自の“メタファー論”の構想を発表。63年“詩学と解釈学”の設立メンバー、65年ボッフム大学に移り、70年から85年に退官するまでミュンスター大学教授を務めた。クーノー・フィッシャー賞やドイツ言語文芸アカデミーのジークムント・フロイト賞を受賞
青木隆嘉[アオキタカヨシ]
1932年福岡県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻)。大阪女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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