内容説明
対話を拒絶する“美的なるもの”をコミュニケーションの哲学の場に定位しようとする試み。象徴解釈や図像解釈学的な分析ではなく、歴史的・実証的な美術批評とも一線を画して、図像の位相幾何学的な同形性を解読する。
目次
カン『聖会話図』―ヒエロニムス=橋(同形性1)
ヴェネツィア『竜と戦う聖ゲオルギウス』―赤と黒(形態学1)
ルガーノ『騎士像』―憂い顔の騎士(形態学2)
ヴェネツィア『僧坊の聖アウグスティヌス』―赤と白(形態学3)
パリ『イェルサレムにおける聖ステパノの説教』―ステパノ=石(同形性2)
ヴェネツィア『聖女ウルスラの夢』―幼年期(象徴)
ベルリン、ニューヨーク『死せるキリスト』―記号の死(記号学1)
ヴェネツィア『ふたりの遊女』―パヴァーヌ(記号学2)
ヴェネツィア再訪
開口部/序曲―太鼓とラッパ手たち(信号)
著者等紹介
セール,ミッシェル[セール,ミッシェル][Serres,Michel]
1830年フランス南西部のアジャンに生まれる。海軍兵学校、高等師範学校を卒業。数学、文学、哲学の学位を取得。1958年からクレルモン=フェランの文学部で10年間教鞭をとり、ライプニッツ研究で文学博士。1969年からパリ第一大学教授として科学史講座を担当。数学、物理学、生物学の研究に加え人類学、宗教学、文学等の人間諸科学に通暁する百科全書的哲学者としてフランス思想界の重要な一翼を担う
阿部宏慈[アベコウジ]
1955年宮城県に生まれる。東北大学大学院文学研究科博士課程中退。20世紀フランス文学および表象の理論を専攻。現在、山形大学人文学部教授(フランス文化論、映像論、表象文化論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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