叢書・ウニベルシタス
承認の行程

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  • サイズ B6判/ページ数 387,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588008542
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1310

内容説明

哲学のみならず倫理学・政治学の分野で近年とくに重要視される「再認=承認」の多義性に焦点を当て、その概念のはらむ意味と豊かな可能性を探り出す試み。リクール哲学を深化させた、生前最後の注目の書。

目次

第1研究 同定としての再認(デカルト―「真なるものを偽なるものから区別する」;カント―時間の条件のもとで関係づけること;表象の没落 ほか)
第2研究 自己自身を再認すること(ギリシア的資質―行動することと、その行為者;能力ある人間の現象学;記憶と約束 ほか)
第3研究 相互承認(非対称から相互性へ;ホッブズの挑戦;イエナ期ヘーゲル―承認 ほか)

著者等紹介

リクール,ポール[リクール,ポール][Ricoeur,Paul]
1913年生まれの現代フランスを代表する哲学者。1935年に教授資格試験合格。マルセル、ヤスパースの実存哲学とフッサールの現象学の影響を同時に受ける。39年第二次世界大戦に動員され、捕虜となって45年まで収容所生活を送るが、その間にフッサール『イデーン1』を仏訳。48年ストラスブール大学教授。56年パリ大学に、66年からナンテール分校に移る。70年よりシカゴ大学神学部教授を兼任し、英語圏の哲学界、神学界でも活躍。『形而上学・道徳学雑誌』の編集長。2005年5月20日死去

川崎惣一[カワサキソウイチ]
1971年生まれ。99年、東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。2002年博士号(文学)取得。現在、城西国際大学福祉総合学部講師。現代フランス哲学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご

9
3読。本書の公刊時点でリクールは91歳になっていたはず。タイトルの行程はparcoursは単数だと経路、道程という意味だけど、複数になっているところに、辿るべき道をもれなく、すべて辿ろうとするリクールの老いてもまだ盛んな知的意欲を感じる。「杣道」を辿ろうとした晩年のハイデガーとの対照が面白そうなので、「杣道」も読んで見ようかな、と思ったのでした。2023/05/21

いとう・しんご

0
図書館から借りて読んだ本を再読。この間、本書に言及のある本を2冊読んでいたので、理解がグッと深まった感じ。モノやコトの一般的な再認=同定(reconnaisance)、自己の能力や責任の自覚、自己同一性の再認=同定、相互承認としての再認=同定という三段階を通覧(parcours)する。そして、相互承認を支えているのは、実は見誤り(méconnaissance)から来る動的な相互性である、という驚きと感動の結論。2021/01/17

いとう・しんご

0
リクールの最後の本。承認・再認を意味するフランス語reconnaissanceは弁別の意味から感謝の意味まで多くの意味を持っていることに注目し、これらの多義性を横串にする哲学を追究する。弁別から出発して感謝に逢着する本書の議論は遺著たるにふさわしい濃密さと喜びに満ち溢れている。2020/12/11

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