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内容説明
20世紀の悲劇の源となった二つの全体主義(ナチズムと共産主義)に共通する科学万能・ユートピア志向が善悪二元論による排外主義に帰結した経緯を辿りつつ、この悲劇の渦中で批判的ヒューマニズムを貫いた人々に未来への可能性をさぐる。
目次
プロローグ―世紀末
世紀病
ワシーリー・グロスマンの世紀
比較
マルガレーテ・ブーバー=ノイマンの世紀
過去の保存
ダヴィッド・ルーセの世紀
記憶の用法
プリーモ・レーヴィの世紀
現在における過去
ロマン・ガリの世紀
民主主義の危機
ジェルメーヌ・ティヨンの世紀
エピローグ―世紀の始まり
著者等紹介
トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン][Todorov,Tzvetan]
1939年、ブルガリアに生まれる。ロラン・バルトの指導のもとに『小説の記号学』(67)を著して構造主義的文学批評の先駆をなす。91年、『歴史のモラル』でルソー賞を受賞。現在、国立科学研究所(CNRS)の芸術・言語研究センターで指導的立場にある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えりにゃ
1
科学主義は「世界の認識から世界の導き手」となったことでナチやソ連の「劣った人間を隔離する」ことを肯定した。そこにイデオロギーはなく、恐怖に縛り付けられたイデオロジカルな政治しか無かった。よってトドロフはソ連も全体主義であると主張した。授業の参考として第一章しか読まず。2021/07/28
抹茶ケーキ
1
全体主義について。トドロフははじめて読んだけど、哲学家というより評論家なんだなと思った。自らが善であるという世界観を守ろうという誘惑が全体主義の原動力だって主張にはものすごく同意する。意見が別れるところではあると思うけど、間に挟まれる伝記みたいなのは個人的にはいらなかったと思った。論旨がちらばって読みづらくなるし。2016/05/25