出版社内容情報
テクストを介した両者の「対話」を目論み、二つの思想の結節点を探りながら広く哲学を「読む」ための手引きを与えてくれる
内容説明
イメージと隠喩、直観と否定、認識論と形而上学などの主題をめぐってテクストを介した両者の対話を目論み、二つの思想の結節点を探る。広く哲学を「読む」ための手引き書。
目次
序論 二つの明晰さ
第1部 闇の朝課(さまざまな方法;さまざまな夢想;否定的認識論のために)
第2部 偽りの光明(弁証法とそのさまざまな仮面;機械論の偽りの輝き;不断なるものの蜃気楼)
結語 明暗
著者等紹介
カリウ,マリー[カリウ,マリー][Cariou,Marie]
フランス国家博士。ジャン‐ムーラン(リヨン第三)大学教授。哲学部名誉学部長、副学長を兼務した
永野拓也[ナガノタクヤ]
熊本電波工業高等専門学校一般科目講師
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感想・レビュー
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しお
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一見通俗的な兆候拾いかのごとき「バシュラールを通してベルクソンを読む」営為をベルクソンに内在する論理を通して行う貴重なベルクソン研究。前時代の著作から後代の断片を鳥瞰するのではなく、バシュラールの言説に内在するベルクソンの概念構想をベルクソンの内部へと保持する(それこそベルクソン的な)弁証法を経て、ベルクソンの体系の批判を行う体裁を取る。この弁証法における対象は、彼らの科学哲学的な言説に限られるが、射程は広く諸学問全体に関心を向ける。この点はベルクソンに最後の(体系的な)形而上学者としての布置を与える。 2020/09/18