叢書・ウニベルシタス トリックスターの系譜

ハイド，ルイス【著】〈Ｈｙｄｅ，Ｌｅｗｉｓ〉/伊藤 誓/磯山 甚一/坂口 明徳/大島 由紀夫【訳】

法政大学出版局（2005/01発売）

• サイズ B6判／ページ数 611,／高さ 20cm
• 商品コード 9784588007569
• NDC分類 164
• Cコード C1398

出版社内容情報

秩序と無秩序の境界の越境者として未知なる世界の可能性を開いてきた文化英雄たち―トリックスター―の文化創造の秘密を探る。

内容説明

ヘルメス、クリシュナ、スサノオなど神話世界のトリックスターから、デュシャン、ギンズバーグなど現代のトリックスター的芸術家までを縦横に論じ、彼らが穿つ穴から広がる充溢と解放の「意識の地下世界」に文化創造の秘密をさぐる。

目次

第１部　自然の罠（食欲の罠をすり抜ける；「これは俺の技なのだ、コヨーテよ。お前の技ではない」；最初のうそ）
第２部　二路線的偶然（偶然の襲来；交差路に佇む神；掘り出し物）
第３部　汚れ仕事（言葉を失う恥辱と恥知らずな言葉；場違いのもの）
第４部　文化の罠（罠を逃れるヘルメス；フレデリック・ダグラスとエシュの帽子；トリックスター芸術と関節；予言）
補遺（ホメロス風ヘルメス讃歌；トリックスターとジェンダー；孫悟空と不死の桃）

著者等紹介

ハイド，ルイス［ハイド，ルイス］［Ｈｙｄｅ，Ｌｅｗｉｓ］
１９４５年、ボストンに生まれる。１９８９年からケニヨン大学教授の任にあるが、電気技師、大工、アルコール依存症患者カウンセラーとして生計をたてながら執筆活動を続けていたこともある

伊藤誓［イトウチカイ］
１９５１年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。東京都立大学人文学部教授。イギリス小説専攻

磯山甚一［イソヤマジンイチ］
１９５１年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。文教大学文学部教授。エリザベス朝演劇専攻

坂口明徳［サカグチアキノリ］
１９５０年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。大妻女子大学文学部教授。ハックスリを中心とするモダニズム文学専攻

大島由紀夫［オオシマユキオ］
１９５１年生まれ。東京教育大学大学院修士課程修了。東京商船大学商船学部教授。ジョイスを中心とするモダニズム文学専攻
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感想・レビュー

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[コマイヌ]

もっと史学的な(本質的に偏微分出来ないとはいえ)を組む本かと思ったら当然・よく言われる事を分岐も細かく書いた後現代の話題に移ってしまってあまり興味が持てない・面白がれなかった。トリックスターがどこか分からないと思い続けて来たけどそれは境界を変えた後の彼らは何処に属するのか分からなかったからだと知ったのは非常に良かった。組み込まれるか疎外されるかなのだけど。 捕食関係を笑うコヨーテからヘルメスとプロメによる食欲の扱い・その結末の違い、生来に縛られない(持たない)柔軟な知性、

2016/04/17

[更新停止中]

神話論だったり芸術論（芸術家論）だったり人物論だったり文化論だったり社会論だったり、全部が縦横無尽に入り交じっていて無茶苦茶に面白かった。この厚さがまったく苦にならないくらい夢中で読んだ（通勤に持ち歩くのが物理的に苦にならなかったと言うと嘘になるが）。「ヘルメース神への讃歌」と黒人奴隷解放運動家を一緒に語るという、それ自体がトリックスター的。／しかし2005年発行の本で「マップルソープ」はないだろう。

2012/11/05