出版社内容情報
刺激的な近代論を展開する壮大な理論的パノラマ。
内容説明
古典古代に好奇心・知識欲は知の営みを開花させたが、中世には神への絶対帰依を説くアウグスティヌスらに排撃された。好奇心に駆られヴァントー山に登ったペトラルカが中世と近代を分かって以来の、好奇心が解放され近代科学革命に至るまでの曲折に満ちた過程を究明する。
目次
第3部 理論的好奇心に対する審判のプロセス(妨害に弱い理論的動因;ソクラテス的転換の撤回;エピクロスの神々の無関心性;懐疑主義派のなかに残存する世界秩序への信頼;回心への地ならしと審判のための判断モデル;好奇心の悪徳目録への組み入れ;スコラ哲学の体系のなかでの知識欲求の自然本性性をめぐる諸困難;来たるべき越境の先取り;不可視である世界内的なものへの関心;啓蒙への準備段階としての好奇心の正当化 ほか)
著者等紹介
ブルーメンベルク,ハンス[ブルーメンベルク,ハンス][Blumenberg,Hans]
1920年ドイツのリューベックに生まれる。母はユダヤ人で、戦争中ナチスの迫害を避け身を隠していた家の娘と結婚する。キール大学で教授資格を取得、同大学を皮切りに、ハンブルク、ギーセン、ボッフム、ミュンスターの各大学で教鞭をとる。最も近い関係にある哲学者はカッシーラー。“詩学と解釈学”グループ(ギーセン)の創立メンバー。96年3月75歳で死去
忽那敬三[クツナケイゾウ]
1954年愛媛県に生まれる。東京大学大学院科学史・科学基礎論専攻博士課程満期退学。現在、千葉大学文学部助教授(哲学講座)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。