出版社内容情報
《写真を実践すること》の多様性・曖昧さ・流動性に着目しこれらの現象を多面から調査・分析。様々な階層・集団間の行動・文化の体系を明らかにした写真の社会学。
内容説明
《写真を実践すること》の多様性・曖昧さ・流動性に着目しこれらの現象をあらゆる角度から調査・分析、様々な階層・集団間に特有な行動の体系および文化・芸術のヒエラルキーを明らかにした写真の社会学。全的人間学を目指すブルデューグループの初期の代表作。
目次
第1部(統一への信仰と培われた差異;写真の社会的定義)
第2部(美的野心と社会的渇望;挿絵のレトリック;だまし絵と見せかけ;機械仕掛の芸術、野蛮な芸術;技巧のある人と身分のある人)
結論(画像と幻想)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
社会的実践として写真行為を扱う本書は、錬金術から転換した化学を機械技術に組み込んで歴史に登場した写真が、階級の中に宿り、その差異を乗り越え、集団や家族の統合から個人の擬似的主体化に浸透するように普及し、人々の心理の中に科学的客観性とそれ以前の錬金術的幻想性を構築してきた点に注目する。その中で著者が注目するのは、写真行為自体の曖昧さ(準-飽和状態)であり、時代や階級によってその社会的効用が異なるにもかかわらず、撮る/撮られる、交換する、集める、飾る行為を基点として流動を続ける独特の特徴にある(1965刊)。2024/06/10
子音はC 母音はA
2
写真というものを多岐に社会学的に考察する。最後の付録に質問者に対しどのようなサーベイをしたかが載せられている。それだけに留まらず、心理学的側面からも述べている。気に入った項目のつまみ食いもできるが、全体像の咀嚼には時間がかかる一冊。2014/07/03