出版社内容情報
人間の自然とのかかわりにおける思考,観念,表象の機能を析出し、機械論的上部 - 下部構造論と単純反映論を峻拒しつつ,観念 - 表象人類学への新たな地平をひらく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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6
K・ポランニーは大恐慌から第二次大戦に至る様々な経済政策を市場経済という「擬制」の破綻から捉え、その過程を16世紀重商主義から捉え直す際、経済を実在的定義(生存の必要)と形式的定義(合理性の最大化)に区別し、社会は互酬、再配分、交換の3パターンで統合されてきたとした(『大転換』1944)。ある程度安定した「人間の経済」から破綻に向かう市場経済を区別したポランニーを受け、物質の世界と観念の世界の関係として経済を捉え直す著者は、市場経済が作る観念世界の不均衡な拡大を階級政治に見て、その処方を人類学から探る。2024/05/06
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