出版社内容情報
単行本未収録原稿から、鮮烈に時代を切り取ったモード論を精選
一昨年、惜しまれつつ急逝したフランス文学者、山田登世子(1946-2016)。文学はもちろん、文化、芸術、衣装、風俗といったテーマに鮮やかに切り込んできた著者の「モード」「ブランド」に関わる論考を精選。モードを人間の心性の表れとして捉え、歴史理解にフィードバックする、著者ならではの視点が発揮された名文集!
山田 登世子[ヤマダトヨコ]
著・文・その他
内容説明
「モードは殺されるためにある」惜しまれつつ急逝した仏文学者、山田登世子(1946‐2016)が遺した、文化、芸術、衣装、風俗に大胆に切り込む膨大な単行本未収録原稿から、「モード」「ブランド」に関わる論考を精選。流行現象に現れた人間の心性に注目し、歴史理解へとフィードバックする、著者ならではの視点が発揮された名文集。
目次
1 ブランド(ブランドの百年;ブランドの戯れ ほか)
2 黒/靴(黒の脱構築―ダンディズムからシャネルまで;黒の男たち ほか)
3 シャネル(シャネルのモード革命;シャネルは海の香り ほか)
4 誘惑のモード(女たちのモード革命;世紀末パリのきらめき―マラルメのモード雑誌『最新流行』 ほか)
著者等紹介
山田登世子[ヤマダトヨコ]
1946‐2016年。福岡県田川市出身。フランス文学者。愛知淑徳大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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雛橋
4
自分にとってファッションは完全に縁のなかったジャンル。ブランドが今に伝わる流れ、歴史という点で興味があったので知らない分野にチャレンジしてみた。正直望んでいた流れは二章の黒/靴 以降だったかな。さすがに著者は内容に熱を感じるけれど、門外漢としては少し付いていけない部分も……。2018/11/28
K
1
様々な媒体に発表した原稿をまとめた本なので、同じ記述が何度も繰り返されるのがちょっと。恵まれない出自ながら強固な意志で道を切り開いたシャネルへの憧憬と、本来特権階級のものであるブランド品を日本人の「小娘」が所有することの「恥ずかしさ」に対する、半ば嫉妬まじりの?批評がアツい。専業主婦とクロウトの違いをパーマネントかパートタイムかの差に過ぎないとして、女性の権利を主張する人たち(フェミニズム周り?)をほとんどバカにしている記述があって驚いた。2019/03/27
しまうま
0
ガブリエル・シャネル展にて。フランス文学者の文だね。シャネルを語るときはアメリカ的ストレートな語り口になるのが面白い。こんな洒落た人が戦後すぐの田川で生まれたってのがまた。面倒くさかったけど今度のパリが楽しみになってきた。2022/07/19
Yasuyuki Kobayashi
0
素晴らしいファッション評論でした。 特に第2章「黒」並びに第3章の「シャネル」は圧巻です。2018/10/12