叢書・ウニベルシタス<br> 情念の政治経済学

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叢書・ウニベルシタス
情念の政治経済学

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  • サイズ B6判/ページ数 168,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588001659
  • NDC分類 331
  • Cコード C1330

出版社内容情報

欲望や情念の否定と抑圧から相殺し利用する方向へ,さらに新しいパラダイム=利益・儲けの擁護に至る資本主義弁護論の系譜を,啓蒙思想期の論争を通じて素描する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

6
人間を衝き動かす情念は理性によっては制御できない。理性だけに頼っていては平和はおぼつかない。そこで第三のカテゴリーとして利益というものが考えだされる。利益は情念であるが、可測性という点で理性にも与する。いわゆる目的合理性である。比較的無害な情念による、より危険な情念の統御というのが、資本主義を正当化する思想を提供するはずであった。しかし、その過程でなぜか物欲以外の情念は忘れられてしまう。結果は、資本主義の道義的な意義も失われてしまった。資本主義擁護論にもなるが、行き過ぎた資本主義への警告ともなりうる。2018/09/03

nobby

0
資本主義的世界を生み出した政治的動機とは何だったのか?これがハーシュマンの問いである。ウェーバーがプロテスタントの倫理に資本主義の発生の心理的淵源を見たとすれば、ハーシュマンはウェーバー説を受け入れつつ、経済的利益を核とする秩序が追求された政治的要因、つまり当時に知識人や支配階級の動機を見ようとする。当時のそのような人びとが共有していた問題意識とは、秩序を破壊する「情念」を抑制するため、もう一つの情念としての「利益(獲得欲)」を対置させることで、荒々しい「情念」を去勢できるのではないかというものであった。2012/09/24

すぐる

0
2012/01/04

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