出版社内容情報
黒い森に覆われ天然の火が扱えない世界は、ある少女たちの戦いを経て、大きな変化を迎えようとしていた――。森の中の機織りの村では、ある日守り神が突如姿を消し騒然となる。村人は厄払いで嫁いできた娘のせいだと噂するが、村の少年・七朱が偶然手にした手紙には思いがけない事実が記されていて……(「第一話 光る虫」)。話題沸騰のファンタジーシリーズ「火狩りの王」で活躍した「彼ら」の過去と未来を描いた短編に、本編では語られなかった「旧世界」の物語も収録したシリーズ外伝。
内容説明
黒い森に覆われ天然の火が扱えない世界は、ある少女たちの戦いを経て大きな変化を迎えようとしていた。機織りの村では守り神が突如姿を消し騒然となる。村人は厄払いで嫁いできた娘のせいだと噂するが、少年・七朱が偶然手にした手紙には思いがけない事実が記されていて…。話題沸騰のファンタジーシリーズ「火狩りの王」で活躍した「彼ら」の過去と未来を描いた短編に、本編では語られなかった旧世界の物語も収録した外伝。
著者等紹介
日向理恵子[ヒナタリエコ]
1984年、兵庫県生まれ。児童文学作家。著書に『魔法の庭へ』『日曜日の王国』『迷子の星たちのメリーゴーラウンド』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
32
「火狩りの王」で活躍した「彼ら」の過去と未来を描いた短編に、本編では語られなかった「旧世界」の物語も収録したシリーズ外伝。家族を亡くした天涯孤独の少年・七朱、深い傷を負った灯子にとって大きな救いとなったほたるの存在。先行きが暗い状況で最も謎めいていた人物を突き動かしていた思いの一端。神族の頂点に達姉妹姫がなぜ生み出され、天に昇ることになったのか。首都に残った火穂や煌四はどう行きているのか。明楽と思わぬ人物の出会いの物語。物語を掘り下げる興味深いエピソードでしたが、もう少し希望があると良かったですね(苦笑)2023/04/26
kitten
23
図書館本。火狩りの王の外伝。これを読むことで、かなり情報が補完されてわかりやすくなった気がする。本編は、無理やりたたんでしまって、そのあとどうなるよ?って感じだったので、ある程度は「その後」が語られていて助かった。神族関係はやっぱりわからんかったけれども、最後、できれば二人の再開まで読みたかったなぁ。評価、星32023/08/06
Chikara Tonaki
16
「火狩の王」スピンオフ短編集。物語り前後の話が少しずつ。結構本編より楽しめた気がします。第六話が一番その後の展開とかが読めて興味深かったかな。こういうスピンオフなら、常花姫が火狩りの鎌を作るエピソードや、神族誕生のとか読みたかったかなぁ。細切れで語られる「旧世界」のエピソードは只々ツラいだけでした。あと第二話の紅美子って後のキリなんですかね。2023/07/29
kirinsantoasobo
11
最後の一冊を読み終えました。 「すごい」を別の表現で伝えたいのですが思いつきません。登場する全てのものに善悪の区別を付け難い物語はなかなかないです。重苦しさのなかにほんの少し希望があるような、答えにたどり着けない繰り返しなのだけれど、とても力強い作品だと思います。 ファンタジー小説とは違うものを感じます。 いま、現実に生きている世界の中で同じような感覚のことはたくさん起こっているのだと思います。 長い歴史で繰り返されてきた人間の姿を見た気がしました。出会えてよかった作品です。2023/06/14
ヒサ子。
7
いやぁ、思ってたより本編の前や後の短編集だった。〈旧世界〉まで遡っても、ひと世代後でも、いつだって、人間だけではなく神族も皆がきながら苦しくても生きてるんだと、まざまざと見せつけてくれたのが、本当に凄い。明楽が言うように、世界は変わり続けるしかないのね。。。やっぱり、私は油百七好きだなぁと再確認。ブレないところが本当に好き。2023/06/15