内容説明
日本中世、血統に基づく尊卑観念が寺院社会にも及んだことなどを契機として、顕密寺院において「貴種」が住持を務める寺、門跡が成立した。これら門跡は、法門嫡流という圧倒的な宗教的権威のもと、世俗権力とも密接に関わり、宗教的・政治的影響力を行使しうる存在としてあった。近世に入り、門跡は江戸幕府の寺院統制策のもとに置かれ、世俗社会における影響力は大きく低下することとなったが、諸宗の本山や本寺として位置付けられ、また、天台座主や園城寺長吏などの要職を務めるなど、寺院社会における特別な立場を有し、特に門主はその出自ゆえに公家社会の一員としての側面から世俗社会とも密接な関係を持ち続けていた。門跡はいかにして中・近世を通じて存続し続けることが出来たのか―これまで分断されてきた中世・近世の門跡研究を接続し、対話を深めることで、中・近世における寺院社会の連続面と断絶面を浮き彫りにする画期的成果。
目次
1 門跡の中世―公武権力・寺院社会・家門(もうひとつの〈家門〉の遺跡としての門跡(菊地大樹)
中世鎌倉顕密仏教界における「門跡」(小池勝也)
足利義教期の武家祈&#31153
と聖護院門跡(林遼)
中世の門跡寺院と院家 聖護院と若王子を中心に(近藤祐介)
家門と門跡 地蔵院の場合(大田壮一郎)
門跡となった真宗の本山寺院 戦国・織豊期の専修寺を中心に(太田光俊)
延暦寺焼討ち後の『蹇驢嘶餘』成立 梶井門跡と大徳寺(芳澤元)
中世末期の山門派門跡と延暦寺復興(相馬和将)
2 門跡の近世―寺社との繋がり・格式・朝幕関係(近世における門跡の「寺務所」(石津裕之)
近世の門跡と南都寺院 一乗院門跡と大乗院門跡を中心に(水谷友紀)
十八世紀における天台宗寺門派門跡の相続と格式(佐藤一希)
紅葉山法華八講と輪王寺宮 徳川家康百三十年御忌を例に(菅野洋介)
近世門跡論の現在(高埜利彦))
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