内容説明
中国学術は、その歴史において、経学・語学・史学・諸子学・文学・医学・天文学、その他の学術を含んできた。それだけに、学術はそれぞれの専門に分化しがちであった。しかし、清期中期に、そのような細分化をよしとせず、あらゆる歴史的な事象を貫通する「通」という発想のもと、学術・思想・書物・歴史・文学をとらえ直そうとした「変わった学者」が登場した―「章学誠」(一七三八~一八〇二)である。その構想を書き著した『文史通義』をはじめとするテクストを詳細に読み解くことで、その思想を育んだ様々な脈絡、章学誠の学説・思想の同時代的意義、また、その学説が後世に与えた影響や展開について、多角的な視点から論究する。章学誠が後世に向けて発したメッセージを受けとめ、その意義と可能性を問う。
目次
第一部 章学誠に至る軌跡(史・史意・史記 周の史官と漢の史官;史記学前史 章学誠の史学に寄せて;『書』に定体無し 『尚書』と『春秋』の関係をめぐる章学誠の洞察;古書の篇巻問題とは何か 章学誠の篇巻論の再検討を通じて;朱陸篇の周辺 章学誠と清代朱子学・陽明学)
第二部 章学誠とその時代(章学誠〈文史・校讎の学〉における著述の意義;章学誠の『説文』観;俗文学への認識から見る章学誠の袁枚批判;章学誠の文章論と読者への意識 『文史通義』内篇「俗嫌」を中心として;書簡から見る章学誠の生涯と交友;章学誠の六経皆史説 理論装置としての「六経皆史」状況の設定)
第三部 章学誠の展開可能性(張爾田『史微』における章学誠の継承と批判;劉咸〓と章学誠;中国と日本における「源流」観 章学誠を手がかりに;章学誠における知の主観的契機について;過去と現在の間にある「道」 章学誠と伊藤東涯;章学誠目録学管見)
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