内容説明
『合戦図』を知るための基礎資料をフルカラーで集成!最先端の研究成果を具備した決定版!戦乱の世を生きた人々の武威を示し、また、戦いの記憶を後世に伝える合戦図。絵巻物や屏風、扇面図などさまざまな形で作られ、技巧を尽くした豪華絢爛なものも多く、時に海外使節への返礼として使われることもあった、日本文化史上特筆すべき作品群である。これら合戦図は、中世から近世にかけて、絵巻、絵馬、絵入り版本、奈良絵本、屏風、横本といった異なった形態のうちに展開したが、そこには、構図、モチーフなど様々なつながりを見てとることができる。中世期に現れた合戦図は、近世的な価値体系の中でどのように再編されていったのか。中世から近世における主要な合戦図三十八作品をフルカラーで紹介。さらに、美術・文学・歴史などの観点より、中世から近世への過渡期となる十七世紀の政治的・文化的諸状況を踏まえつつ、「文化としての“武”」という観点から合戦図の展開を解き明かす、多数の図版を盛り込んだ十二本の論考を収載。これ一冊で「合戦図」をめぐる研究の最先端を知ることができる決定版。
目次
図録編(合戦絵巻の登場;大画面合戦図の展開;作品解説)
論考編(総論;描かれた中世のいくさ;華ひらく戦国合戦図)
著者等紹介
中根千絵[ナカネチエ]
1967年生まれ。愛知県立大学教授。博士(文学)。専門は中古・中世文学、説話文学
薄田大輔[ウスダダイスケ]
1985年生まれ。徳川美術館学芸員。専門は日本近世絵画(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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