内容説明
ダイナミックな発展を遂げた中世日本の神道がわかる、初のガイドブック!日本古来の信仰でありながらも、時代とともにめまぐるしい変化を遂げてきた「神道」。中世日本では、仏教と神道の融合現象―「神仏習合」が極めて発展的な展開をみせ、両部神道・伊勢神道・吉田神道など、さまざまな神道の流派が生まれた。また、儀礼のありかた、体系的に組み合わせられた空間・図像・言説などにより、独自の世界観・世界像を築き、同時代の宗教のみならず政治・文化にも多大な影響を与えてきた。近年、急速に研究の進展する「中世神道」の見取り図を、「神道の流派」「基本的な概念」「中世の神々」「神話モチーフ」「神道をめぐる人々」「イメージ」「神道書」などテーマごとに立項し、第一線で活躍する研究者が、多数の図版とともにわかりやすく解説する決定版!
目次
1 総論
2 中世の神々
3 中世神話のモチーフ
4 中世神道のイメージとイコノロジー
5 中世神道をめぐる人々
6 中世神道書の世界
著者等紹介
伊藤聡[イトウサトシ]
1961年生まれ。茨城大学人文社会科学部教授。専門は日本思想史、神道論
門屋温[カドヤアツシ]
1956年生まれ。清泉女子大学非常勤講師。専門は日本宗教思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ohe Hiroyuki
2
本書は、中世神道本を学ぼうとする学生たちのために、手引書として書かれたオムニバス本である▼冒頭は、中世神道の総論が述べられ、その後はキーワードごとに解説がされていく。▼巻末に参考文献があるが、著者がその文献がどのようなものか(利便性はどうか)などと簡単にコメントがあるのはありがたい▼本書だけを通年しても、中世神道なるものを理解するのは難しいかもしれない。しかし、折に触れ懇切丁寧な用語集として本書をめくるのであれば、理解が進むことと思う。学生のみならず、日本に興味のある人であれば、誰でも手に取る価値がある。2023/01/22
RuiRui
0
項目別に参考文献が載ってるのもヨイ2023/12/07
木倉兵馬
0
江戸時代前期より前の神道がいかなるものか、を知るための入門書。前文で事典的用法を推奨されており、実際何度か振り返ったり関連箇所まで飛んだりして読むと理解が早いかもしれない。記紀神話だけでない、あるいは記紀神話とは全く異なる一面も多い中世日本神道・神仏習合の世界はなかなか現代ではイメージしづらいが、この一冊から理解を始めていくのもいいかもしれない。2022/07/09