内容説明
写本、版本、明治期に作られた書籍―。日本の古い本には色々な形があり、それを構成する部品、作られた時代も様式も様々である。これらの「本」には何が書かれているのか。そもそも「本」のどこをどのように見ればよいのか。くずし字はどう読めばよい?捺されているハンコは何を意味しているのか?表紙の模様にはどのような意味が隠されているのか?一流の研究者たちが丁寧にわかりやすく解説する。多数の図版とともに楽しむ、充実の古典籍・近代文献の入門書!
目次
講義1 はじめての古典籍(神作研一)
講義2 くずし字―昔の人びとの文字をどう読むか(粂汐里)
講義3 写本―奥書・識語から本の来歴と素性を知る(海野圭介)
講義4 版本―刊記・奥付から印刷文化を探る(木越俊介)
講義5 装訂と料紙―本の「かたち」から何を読みとるか(落合博志)
講義6 表紙文様―本を彩る意匠の世界(齋藤真麻理)
講義7 印―本に捺されたハンコは何を伝えているのか(松永瑠成)
講義8 江戸の出版文化―古活字版を中心に(入口敦志)
講義9 近代本の世界―近代資料の“作り方”・“残し方”・“読まれ方”(多田蔵人)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
11
和本の構造が細かく知ることが出来、前近代の本がバラエティに富んだものであったことがよく分かった。近代の本も特に明治期は和装と洋装が入り交じり、現代よりも多様な装幀の本があったことを知ることが出来た。昔の人はどういったスタイルで読書をしていたのか、本を入手していたのか、意外と明らかになっていないらしい。国文学研究資料館の一般向け公開講座を活字化したもので、です・ます調で書かれていて読みやすい。2024/04/25
果てなき冒険たまこ
2
これは書籍を装丁だったり奥書だったり形式ではなくて外形から理解しようとする本。思ったより専門的で面白い個所もあればそうでもないところも(多数)あったので拾い読みに終始してしまった。くずし字のところはしっかり読んだけど綴じ方、紙の種類、印の違い、流通についてなどほとんど研究者じゃないと気にもしないところもたくさんあってかなりハードルは高い。物自体にはそれほど惹かれない自分にとっては勉強にはなったけど役に立ったかといわれると微妙かな。2025/02/28
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