内容説明
富士山を望む風光明媚の地、気候温暖、温和な住人、天国のような風土。「学問や勉強も、自分の足もとからやるんだ。故郷のことを知らんと、故郷を出てから後悔するぞ―」日露戦争に勝っても日本はまずしかった。両親に置去りにされ、祖父母との極貧のくらしのなかで孤独に耐えて、やっと入学した中学校の先生の教えだった。この大長編の出発点を鮮明に印象づける第2巻。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tegi
2
次郎の人生は当然現代の自分からみたら相当に縁遠い出来事に満ちているんだけど、それでも彼の人生の苦難のはしばしに共感してしまう。共感といえば、次郎の父の酷さがあらわになっていくのに、嫌えない。あれだけ1巻で魅力的に描かれていて、一度共感してしまっているから。それにしてもこのおもしろさ、特にこの巻最後のクリフハンガーぶりなんて実に見事で、決して書き手としては娯楽のための仕掛けを最優先にしているわけではないのだろうけれども、こりゃ多くの読者に親しまれるわな、と納得のリーダビリティである。2018/02/14
ゆかっぴ
2
親の信仰によって家庭環境が一変してしまった主人公の次郎。大変な苦労をしながら進学し、生活の中に入り込む宗教と自分の在り方を考え続ける姿が痛々しいほど。当時の沼津の漁村の生活などもよくわかります。2013/04/19
mak2014
0
1巻に記載済み。2015/01/10