出版社内容情報
鎌倉中期に成立した、伊勢内宮祠官の寂延撰『御裳濯和歌集』は、伊勢神宮関係の和歌を中心として、伊勢国に関係のある人物の詠作を類聚した私撰集である。西行勧進「二見浦百首」や伊勢内宮法楽「四季題百首」などを含み、和歌史的に貴重な価値をもつ。
本書では、翻刻・語注を施した上で全歌評釈に加えて『御裳濯和歌集』と複雑な関係を有する『神宮正権祢宜和歌』(内務省神社局本)・『二十一代集抜萃』(神宮文庫蔵本)などの資料を翻刻、さらに、全資料に対する研究篇を補足する。
作品間の問題を精確に解明する一助となるだけでなく、宗教と和歌との関わり合いを論じるという点で、重要な意義と必要性を持つ一冊。
目次
資料篇(『御裳濯和歌集』(神宮文庫蔵甲本)全注釈
『神宮正権祢宜和歌』(国文学研究資料館史料館蔵)翻刻
『二十一代集抜萃』(神宮文庫蔵)翻刻)
研究篇(解説(『御裳濯和歌集』;『二見浦百首拾遺』及び『御裳濯和歌集』との関係;『神宮正権祢宜和歌』(神宮典略)
『二十一代集抜粋』及び『神宮正権祢宜和歌』との関係
『二見浦百首』作者考証)
『御裳濯和歌集』作者一覧)
著者等紹介
石川一[イシカワハジメ]
1949年香川県生。1974年慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。1977年早稲田大学文学研究科日本文学専攻修了(文学修士)。1982年同博士課程(後期)単位取得退学。1996年早稲田大学より博士(文学)取得。上戸学園女子短期大学・徳島文理大学文学部日本文学科を経て1987年広島女子大学文学部国文学科助教授。1992年組織改革に伴い、県立広島女子大学教授。県立大学再編により県立広島大学人間文化学部教授。2014年県立広島大学定年退職(名誉教授)。奈良大学文学部国文学科教授(現職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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