「私」から考える文学史―私小説という視座

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  • サイズ A5判/ページ数 480p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784585291701
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3095

出版社内容情報

日本近代文学の新たな枠組み日本固有の文学ジャンルと考えられている「私小説」。
明確な定義がないなか、読者は一体なにを作者の「私」像として読み取っているのだろうか?
本書では、従来「私小説」とみなされてこなかった作品や周辺ジャンルである日記や紀行文、映画や漫画などを含めた文学史の構築を試みるとともに、作り手である現代作家の水村美苗氏、佐伯一麦氏、青木淳吾氏への 「私」をめぐるインタビューを収録。
明治以降の「私小説」を研究と創作の両面から再検討する。

〈私小説〉という視座 本書の方法と構成について  梅澤亜由美・大木志門
【インタビュー】私小説という「フィクション」  水村美苗

? 明治期の「私」
田山花袋と徳田秋聲における〈「私」性〉と「文体」の生成  大木志門
「書く」女の生活と戦略 田村俊子「彼女の生活」とジャーナリズム  鬼頭七美
郡虎彦の初期作品における〈私〉の様相  太田 翼
変容する〈透谷〉 小田切秀雄の文学史把握とポジショナリティ  黒田俊太郎
【コラム】〈私〉の旅日記―坪内逍遙「旅ごろも」  富塚昌輝
【コラム】ルポルタージュと労働者手記  金子亜由美
【コラム】モデルの手記と小説―岡田(永代)美知代  井原あや
【コラム】帰朝者の文学―永井荷風  多田蔵人

? 大正期の「私」
一九二〇年の〈「私」小?〉 白樺派から奇蹟派、そして宇野浩二へ  梅澤亜由美
告白の相手は誰か 佐藤春夫の〈詩〉と〈私小説〉  河野龍也
菊池寛〈啓吉もの〉と芥川龍之介〈保吉もの〉の間  小澤純
真摯な自己語りに介入する他者たちの声  田中祐介
【コラム】少女雑誌における「私語り」―『少女世界』を中心に  嵯峨景子
【コラム】看取り・介護  梅澤亜由美
【コラム】幻想の系譜―藤枝静男の「私小説」を中心に  大木志門
【コラム】関東大震災直後のルポルタージュと小説  小林洋介
【インタビュー】自画像としての私小説  佐伯一麦

? 昭和初期の「私」
一九二〇年代後半の横光利一テクストにおける〈私小説性〉の諸要素
〈「私」性〉と〈事実性〉による享受のシステム  小林洋介
伊藤整における私小説の模索と転回 「得能もの」から自伝小説「北国」へ  尾形大
〈私〉を更新する 宮本百合子〈伸子〉連作について  竹田志保
個人的なことは政治的なこと 〈私性〉から見た転向文学  山根龍一
【コラム】文学の〈素人〉性―北條民雄と川端康成  尾形大
【コラム】戦争と私語り―原民喜の場合  大原祐治
【コラム】「文学」史のキャラ化―伊藤整から高橋源一郎へ  小澤純
【コラム】批評の原点―江藤淳における〈私〉  河野龍也

? 戦前~戦後の「私」
〈私〉を応用する 一九四〇年代前半の太宰治小説  井原あや
「私」と「歴史」のあいだ 坂口安吾と私小説  大原祐治
大岡昇平文学における〈私〉 短篇小説「妻」を中心に  立尾真士
安岡章太郎『私説聊斎志異』論 「私」の小説化  小嶋洋輔
【コラム】福島次郎『三島由紀夫―剣と寒紅』の提起するもの  太田翼
【コラム】「主観的」な「風景」をめぐって―塚本晋也版『野火』  立尾真士
【コラム】〈私〉をクロスジェンダーする―鷺沢萠の場合  康潤伊
【コラム】マンガ家になるマンガ―東村アキコ『かくかくしかじか』  小嶋洋輔
【インタビュー】「私」から遠く離れて  青木淳悟

見取り図
執筆者一覧
索引

井原あや[イハラアヤ]
編集

梅澤亜由美[ウメザワアユミ]
編集

大木志門[オオキシモン]
編集

大原祐治[オオハラユウジ]
編集

尾形大[オガタダイ]
編集

小澤純[オザワジュン]
編集

河野龍也[コウノタツヤ]
編集

小林洋介[コバヤシヨウスケ]
編集

佐伯一麦[サエキカズミ]
著・文・その他

青木淳悟[アオキ ジュンゴ]
著・文・その他

水村美苗[ミズムラ ミナエ]
著・文・その他

内容説明

日本近代文学の新たな枠組み。日本固有の文学ジャンルと考えられている「私小説」。明確な定義がないなか、読者は一体なにを作者の「私」像として読み取っているのだろうか?本書では、従来「私小説」とみなされてこなかった作品や周辺ジャンルである日記や紀行文、映画や漫画などを含めた文学史の構築を試みるとともに、作り手である現代作家たちへの「私」をめぐるインタビューを収録。明治以降の「私小説」を研究と創作の両面から再検討する。

目次

作家インタビュー 私小説という「フィクション」―水村美苗
1 明治期の「私」
2 大正期の「私」
作家インタビュー 自画像としての私小説―佐伯一麦
3 昭和初期の「私」
4 戦前~戦後の「私」
作家インタビュー 「私」から遠く離れて―青木淳悟

著者等紹介

井原あや[イハラアヤ]
大妻女子大学非常勤講師ほか

梅澤亜由美[ウメザワアユミ]
大正大学准教授

大木志門[オオキシモン]
山梨大学准教授

大原祐治[オオハラユウジ]
千葉大学教授

尾形大[オガタダイ]
日本大学非常勤講師ほか

小澤純[オザワジュン]
慶應義塾志木高等学校教諭

河野龍也[コウノタツヤ]
実践女子大学教授

小林洋介[コバヤシヨウスケ]
比治山大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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