出版社内容情報
大きく揺れ動く現代中国のジェンダー構造を考える現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。
特に1995年の北京国連女性会議以降の20年間に焦点を当て、中国のジェンダー研究の第一線で活躍する研究者による最新成果を紹介する。
序 小浜正子
第一部 現代中国におけるジェンダー・ポリティクスの新局面―シンポジウムの記録
解 題 小浜正子
中国社会の変容と女性の経済参画―北京会議から二〇年 金 一虹(朴紅蓮訳)
ジェンダーをめぐるフェミニスト・国家・男性の協働/不協働―反DV法制定過程を例に
馮媛(遠山日出也・朴紅蓮訳)
現代中国のジェンダー言説と性の政治経済学 宋少鵬(及川淳子訳)
コメント1 阿古智子
コメント2 足立眞理子
コメント3 伊田久美子
リプライ
第二部 北京国連女性会議から二〇年間の中国女性学
解 題 秋山洋子
〈女性意識〉と〈社会性別意識〉―現代中国フェミニズム思想の一分析
王政(秋山洋子訳)
グローバル化のもとでの中国女性学と国際開発プロジェクト―あわせて本土の資源と「本土化」の問題を語る 李小江(秋山洋子訳)
現代中国における三種の女性話語 屈雅君(福島俊子・秋山洋子訳)
[紹介]フェミニスト行動派の運動とその特徴―二〇一二年二月~二〇一六年四月 遠山日出也
第三部 中国における日本軍性暴力問題にどう向き合うか
解 題 秋山洋子
女性・平和・民族自省―陝西師範大学で日本軍性暴力パネル展を開催して 屈雅君(秋山洋子訳)
苦難のうちに立ち止まって―日本軍性暴力パネル展の南京における挫折と内省 金一虹(大橋史恵訳)
メディアの中の「慰安婦」ディスコース―記号化された「慰安婦」と「慰安婦」叙述における記憶/忘却のメカニズム 宋少鵬(秋山洋子訳)
小浜正子[コハマ マサコ]
1958年生。日本大学文理学部教授。専門は中国近現代史・中国ジェンダー史。
主な著書に『近代上海の公共性と国家』(研文出版、2000年)、『歴史を読み替える―ジェンダーから見た世界史』(共編著、大月書店、2014年)、『ジェンダーの中国史』(編著、勉誠出版、2015年)などがある。
秋山洋子[アキヤマ ヨウコ]
1942年生。中国女性史研究会会員。専門は中国女性史、女性文学。
主な著書・論文に『私と中国とフェミニズム』(インパクト出版会、2004年)、「中国における女性兵士」(『ジェンダー史叢書5 暴力と戦争』明石書店、2009年)、「江青」(『ジェンダーの中国史』勉誠出版、2015年)などがある。
2016年8月逝去。
内容説明
現代中国のジェンダー構造は、伝統中国や社会主義中国から如何に変化し、経済格差はどのように性別と関連し、消費社会はセクシャリティのあり方にどのような変化をもたらしたのか。また、近年の中国の民族主義は「慰安婦」問題をどのように捉えているのか。中国ジェンダー研究における第一線の研究者による最新成果。
目次
第1部 現代中国におけるジェンダー・ポリティクスの新局面―シンポジウムの記録(中国社会の変容と女性の経済参画―北京会議から二〇年;ジェンダーをめぐるフェミニスト・国家・男性の協働/不協働―反DV法制定過程を例に;現代中国のジェンダー言説と性の政治経済学)
第2部 北京国連女性会議から二〇年間の中国女性学(“女性意識”と“社会性別意識”―現代中国フェミニズム思想の一分析;グローバル化のもとでの中国女性学と国際開発プロジェクト―あわせて本土の資源と「本土化」の問題を語る;現代中国における三種の女性話語;紹介 フェミニスト行動派の運動とその特徴―二〇一二年二月~二〇一六年四月)
第3部 中国における日本軍性暴力問題にどう向き合うか(女性・平和・民族自省―陝西師範大学で日本軍性暴力パネル展を開催して;苦難のうちに立ち止まって―日本軍性暴力パネル展の南京における挫折と内省;メディアの中の「慰安婦」ディスコース―記号化された「慰安婦」と「慰安婦」叙述における記憶/忘却のメカニズム)
著者等紹介
小浜正子[コハママサコ]
1958年生。日本大学文理学部教授。専門は中国近現代史・中国ジェンダー史
秋山洋子[アキヤマヨウコ]
1942年生。中国女性史研究会会員。専門は中国女性史、女性文学。2016年8月26日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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