内容説明
人が子供を産み育てて世代をつなぐ営みは、古来繰り返されてきた。そのあり方は、地域によって時代によって大きく異なっている。アジア各国・各地域の20世紀後半から現在までのリプロダクション―生殖の変化を跡づけ、比較の視野のもとに、その意味を多元的に考察する。
目次
1 戦後「日本」の生殖における国家と女性(「産む・産まない・産めない」と日本の戦後―女たちの人生;「日本一」の出生率と沖縄の子産み―日米支配と家父長制下の家族計画)
2 中国農村における出産の国家化と医療化(「一人っ子政策」前夜の中国農村―Q村における「生まない」選択の登場;国家プロジェクト、医療マーケットと女性身体の間―中国農村部における病院分娩の推進)
3 アジアの家族計画における援助と国家と女性(「リプロダクションの文化」としての家族計画―ネパールにおける生殖統制の条件;ラオスにおける「生殖コントロール」の様相―女性の健康プロジェクトとしての導入)
4 医療化する生殖(医療化された出産への道程―韓国の「圧縮された近代」;日本における不妊をめぐる身体政治―不妊治療費への健康保険適用と公費助成を例に)
著者等紹介
小浜正子[コハママサコ]
日本大学文理学部・教授。専門は中国近現代史、ジェンダー史
松岡悦子[マツオカエツコ]
奈良女子大学大学院生活環境科学系・教授。専門は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。