ジェノサイドと現代世界

ジェノサイドと現代世界

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  • サイズ A5判/ページ数 485p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784585225119
  • NDC分類 329.7
  • Cコード C1022

内容説明

ホロコースト/ショア、ルワンダ、スレブレニツァ、ダルフール、アゼルバイジャン、カンボジア、アルメニア…夥しい事例を真摯に究明し、固有の原理と共通のメカニズムを析出し、予防システムの構築を目指す。人類が知るべき、「ジェノサイド研究」の現在。

目次

第1部 ジェノサイド研究の視座(ジェノサイド研究の課題と射程―比較の視座から;ジェノサイドに関する研究史の検討―ジェノサイド予防に向けた学術的運動の拡がり;処罰を免れた「ジェノサイド」―文化破壊と植民地支配;ホロコーストと植民地主義―ジェノサイド思想の起源をめぐる考察;ナチ・ジェノサイドを支えた科学―優生学とエスノクラシー;住民移動・民族浄化・ジェノサイド―急進化する排除の時代としての20世紀;戦争、ジェノサイドとそれに対する責任)
第2部 ジェノサイドの事例研究(「アルメニア人虐殺」をめぐる一考察;アゼルバイジャン―ジェノサイドの20世紀スレブレニツァで何が起きたか;ルワンダのジェノサイドを引き起こしたもの―歴史・国際関係・国家の解体;ダルフール紛争の展開とジェノサイド;裁判に直面するクメール・ルージュ―カンボジア・ジェノサイドをめぐって)
第3部 ジェノサイド予防論(国際刑事裁判所の創設とジェノサイドの処罰・予防;紛争後社会におけるローカル正義の役割―ルワンダ、東ティモール、シエラレオネにみる和解の諸相;国際連合における「ジェノサイド予防」システム構築への取り組み―その課題と展望)
第4部 付録資料(国際法上のジェノサイドの定義;研究活動の記録;基本文献・図書案内)

著者等紹介

石田勇治[イシダユウジ]
1957年京都市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はドイツ近現代史、ジェノサイド研究。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了、マールブルク大学社会科学・哲学部にてPhD取得

武内進一[タケウチシンイチ]
1962年兵庫県生まれ。国際協力機構(JICA)研究所上席研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学術博士。専門はアフリカ地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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テツ

20
みな自分を清く正しく美しくどんな場面でもそう在ることができると勘違いをしているけれど、実際の僕たちはそうした機会が訪れて何らかの方法で心のタガが外されのなら、躊躇うことなどなくむしろ嬉々として他人を殺戮することができてしまう。「◯◯人は残酷」だの「◯◯人は凶暴」だのといった人種によるラベリングは意味がない。みんなそれをやっちまうからだ。だから平穏なときにジェノサイドの歴史と仕組みをしっかりと学び咀嚼すること。被害者にもなりたくないけど踊らされて加害者にもなりたくないもんな。まずは知ること。そこから始まる。2018/10/26

林 一歩

19
一見無差別だか、民族をシステマチックに大量虐殺する行為自体を日本人が理解する事は出来ないのかもしれない。ホロコーストであれルワンダであれ、バックグラウンドを知れば知るほど現実感が希薄になってしまうのは何故だろう。2013/02/26

梟をめぐる読書

6
20世紀の大量虐殺を支えたものは、高度な「科学」と「管理体制」だったのかもしれない。かつてのホロコーストがその両方を体現していたのは言わずもがな、山刀で住民を殺しまくるという一見、原始的なルワンダ虐殺でさえもまた、ある個人が「フツ」であるか「ツチ」であるかを証す国民情報の事前の「管理」によって殺戮の効率化が図られていた。しかしそうであるならば、国民番号制度や健康増進法による日本の「管理体制」が志向する先に帰結するものとは、いったい何だろうか。2011/10/23

陽香

2
201103302017/04/12

Arte

0
ジェノサイド学の歴史、定義(文化を断ち切るのはジェノサイドに含まれるか)、個々の事例、処罰、予防についての論文集。スレブレニツァの事例(攻めた都市が陥落して大量に捕虜が出る→敵と民間人が一列縦隊で脱出していて対応が必要→捕虜を持て余して虐殺)やアルメニアと紛争を繰り返しているアゼルバイジャン、あまり実効力のない国際刑事裁判所にジェノサイド予防しようにも人手が足りない国際連合、ローカル正義は加害者を共同体に戻す役割は果たすが、被害者には今いち役に立たないとか。ジェノサイドに興味のある人には超お勧め。2015/12/01

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