内容説明
日露戦争から第二次世界大戦、激動の時代に翻弄された美貌の混血ダンサーがいた!
図らずも日本のスパイとして活躍した波乱の人生が甦る、感動のノンフィクション・ノベル。
1990年春。ベルリンの壁崩壊を取材に訪れたジャーナリストは、日本人の母親を持つという元タンゴダンサーの老女、エヴァ・ミツ・ロドリゲスと知り合う。
娼婦だった母はアルゼンチンで入水自殺を遂げ、母親の元同僚トミエに育てられたエヴァはタンゴダンサーとなる。
やがてエヴァはコンチネンタルタンゴの本場ドイツへと渡るが、欧州はナチス・ドイツにより戦火の坩堝と化していく。
その美貌とダンスでナチスの大物にもかわいがられるようになったエヴァに近づいてきたのは、日本の商社員・吉川公夫だった。
陸軍の諜報員である吉川に魅入られ恋に落ちたエヴァは、日本側の女スパイとして活動することを余儀なくされる……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
18
アルゼンチンと日本のハーフ女性エヴァ。 タンゴダンサーであり、政財界の著名人やナチスの高官を相手にする高級娼婦でもあった彼女が語る、第二次世界大戦前後のドイツをを中心とした歴史秘話…。 ちょうど『HHhH』を読んだばかりなので、こちらはフィクション仕立てとはいえ、同じ時代のヨーロッパ情勢やエヴァの恋人である日本人スパイ吉川の行動など興味深く読めました。 ハイドリヒも、エヴァの顧客としてチラっと登場(笑)。 波瀾万丈なエヴァの人生が幸せだったのかは分かりませんが、彼女の生命力の強さに救われます☆2013/11/14
a*u*a*i*n34
12
久しぶりの西木さん。期待していたのですが、盛り上がりに欠けたままラスト。最後に明かされる事実にもなんだか。あと、この題名と装丁も。2019/08/02
よっちゃん
12
スパイに女はつきものと言え、いつもながらのハニートラップ。男のために他の男から寝物語で情報を聞きだすだけの役割なのだから、日本のスパイってこれだけしか能がないのだろうかと、あきれ返ってしまう。この作品が光っているのは当時の各国の夜の社交場、風俗のディテイルだろう。アルゼンチンやフランス、ドイツ、オランダ、トルコ、エジプト、北アフリカ。ここに実在の人物を多数登場させ、知る人ぞ知るエピソードを織り込み、いかにも物語が史実であるかのように読者を引き込ませるところ、これぞ西木正明流のノンフィクション・ノベルだ。2013/11/03
雨猫
11
第二次世界大戦下のドイツ。日系アルゼンチン美女のエヴァと日本のスパイ吉川の恋。実在の人物や史実も出てくるのでノンフィクションぽいところは好き。あの大戦の裏で各国の諜報機関が戦争に勝つために、または戦争を食い止めるために、こんなふうに暗躍していたのだろうか。エヴァの気持ちはよく分かるが、吉川の気持ちは描かれない。女と任務の板挟み、祖国を思う気持ちとかもっと葛藤や苦しみがあると良かったんだが。☆3.72015/11/17
くみこ
8
日本人ジャーナリストがベルリンで取材した老女エヴァの話。妖艶さの残るエヴァは、かつて有名な人気タンゴダンサーであり、各国の要人を相手にする娼婦でもあった。第二次世界大戦へと至る時代、彼女の周りで繰り広げられた諜報員達の活動と、日本人吉川との恋を語るエヴァ。1900年代の時代背景を垣間見た気分です。そして吉川との4年間の恋が、今なおエヴァの中で息づいているのがとても切なかった。2015/11/22
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